定額課金でモノやサービスを使用できる「サブスクリプション」が最近話題だ。もともとは、コンピューターソフトウェアの利用形態として一般的だったが、近年では飲食店など、様々な形態があらわれている。
使い方次第で、我々ビジネスマンの財布を大いに軽くしてくれるサブスクリプション。そのお得度を検証してみた。①「野郎ラーメン」月額8600円でラーメン1日1杯

 日本の国民食になったラーメン。毎日でも食べたい人のために2017年11月に誕生したのが、野郎ラーメンの「1日1杯野郎ラーメン生活」である。

 野郎ラーメンはフードリヴァンプが首都圏で16店舗展開するラーメンチェーン店。「1日1杯野郎ラーメン生活」は、「常連客へのサービス還元がきっかけで始めた」(同社広報担当)とのことで、月額8600円(税抜)支払えば、豚骨野郎(税込780円)、汁無し野郎(同830円)、味噌野郎(同880円)のどれかが1日1杯食べられる。

豚骨野郎であれば、12杯で元が取れる。

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豚骨野郎 

 利用するには、まずスマホアプリ「野郎ラーメンアプリ」(iOS、Android)をダウンロードし、アプリ内にある「1日1杯野郎ラーメン」のパスポートを購入。パスポートをタップし、店舗番号を入れて店員に見せれば利用できる。他のクーポンをはじめ、麺の大盛り無料や野菜増し無料などのサービスすべてを一度の注文で提供するオリジナル会員カード「ブタックカード」の併用が可能だ。

ラーメン食べ放題からコンサートまで。注目の「サブスク」5つを徹底検証!
スマホアプリ「野郎ラーメンアプリ」上の「1日1杯野郎ラーメン」パスポート

 ラーメン好きな人にはたまらないサービスだが、対象メニューが3つとは、やや物足りない感がする。

お得度(星の数で表し、最高は★★★★★。

以下同じ)

★★★★☆(5分の4)

②「アンドモワ」3000円支払えば30日間、30店舗で飲み放題

 全国に320以上の飲食店を展開するアンドモワが18年2月に始めたのが、月額定額制飲み放題サービスの「ONEMONTH MOWAPACP」である。同社が展開する居酒屋「柚柚~yuyu~」「なごや香」「酒と和みと肉と野菜」など全国30店舗強で実施しており、30日間(税込3000円)、60日間(同5000円)、90日間(同7000円)、120日間(同10000円)の4コースを揃えている。同社広報によれば、最も利用者が多いのは30日間コースで、「ターゲット層であるサラリーマンの多くがお小遣い制で、1か月の中でやり繰りされている方が多いからではないでしょうか」と分析する。

 利用方法は、まずスマホにアプリ「アンドモワ」(iOS、Android)をダウンロード。対象店舗で店舗スタッフに声をかけ、専用QRコードを読み込めば購入が完了し、アプリの会員証画面を提示すれば、各コースの期間中は何度でも飲み放題となる。1回120分制(90分ラストオーダー)で、購入店舗でのみ利用できる。

 
ラーメン食べ放題からコンサートまで。注目の「サブスク」5つを徹底検証!
スマホにアプリ「アンドモワ」に表示される「ONEMONTH MOWAPACP」の会員証。写真は30日間コース

 飲み放題になるドリンクは250種類。生ビール1杯500円と仮定すれば、30日間なら7杯飲めば元が取れる。お酒代がお得になった分をフードメニューに回せば、いつもよりリッチに飲めるだろう。

お得度

★★★★★(5分の5)

③「ワイクリン」ワイシャツの洗濯、アイロンがけ、クリーニングから解放

 飲食同様にサブスクリプションサービスが目立つのが、ファッション関連であろう。女性向けが充実しているが、ビジネスマンにとって利用価値が高いのが「ワイクリン」である。

「ワイクリン」とは、16年4月に始まった日本初のワイシャツ宅配サービス。月初に届く1か月分のワイシャツ20枚を、着用後に専用の回収袋に入れてまとめて返すだけ。すると翌月のはじめに、クリーニングされたワイシャツが届く。面倒な洗濯、アイロンがけ、クリーニング店通いから解放されるだけでなく、ワイシャツの購入も不要になる。契約者ごとにナンバリングされた専用のワイシャツが届くため、誰が着たのかわからないものが届く心配もない。

ラーメン食べ放題からコンサートまで。注目の「サブスク」5つを徹底検証!
着用したワイシャツを返す際に使う専用の回収袋
ラーメン食べ放題からコンサートまで。注目の「サブスク」5つを徹底検証!
ワイシャツには契約者ごとにナンバリングが。
契約者専用のワイシャツが毎月はじめに必ず届く

 プランは、スタンダードプラン(月額12800円+税)、プレミアムプラン(月額24800円+税)、アソートプラン(月額8800円+税)の3つ。1か月単位で自由に契約・解約ができる。スタンダードプランとプレミアムプランは、継続割引プログラムにより最大で23%OFFになる。

 

 継続して利用する継続率は8割を超える。「思った以上に利便性が高いこと、利便性の良さを知ると元の生活に戻れない中毒性があること、シャツの品質とクリーニングの品質が高いこと——の3点が、継続率が高い理由だと分析しています」(サービス運営会社NextR広報担当)とのことだ。

お得度

★★★★★(5分の5)

④「コンパス」月額2000円で登録コンサートに行き放題

 サブスクリプションサービスが先行したものに音楽のネット配信があるが、最近では月額定額制のコンサート行き放題サービスが登場している。

その一つが「コンパス」である。

「コンパス」は800円(税抜)を支払って会員登録し月額2000円(同)を支払えば、同じく「コンパス」に登録したコンサート主催者のコンサートに行き放題になるというもの。18年12月に始まったばかりだ。

 使い方は、まずパソコンやスマホから行きたいコンサート申し込み、当日会場に着いたら、主催者が掲示した専用QRコードをスマホのカメラで読み取り、ログインしてからチェックイン。チェックインしたら、画面を会場の受付で提示しチケットを受け取る。500円を追加すれば、2人で行くこともできる。

ラーメン食べ放題からコンサートまで。注目の「サブスク」5つを徹底検証!
コンサート申し込みから公演終了後までの流れ
ラーメン食べ放題からコンサートまで。注目の「サブスク」5つを徹底検証!
コンサート会場では専用のQRコードを読み込みチェックインを行う

 コンサートはクラシックを中心に多ジャンルあり。プロだけでなくアマチュアのコンサートも登録されている。クラッシック音楽であればチケットの平均価格が2000~4000円とのことなので、1回ないし2回行けば、十分に元は取れる。ただ、サービス開始間もないこともあり、登録コンサート数がまだ少ない印象がある。今後、登録コンサート数の充実に期待したい。

 ユニークなのが、コンサート終演後にスマホアーティストに応援メッセージが送れること。運営会社であるオフィス・モデルンの藤井宏直社長によれば、これはアーティストへの激励のほか、アンケートに準じるツールとしての活用をイメージしているという。

お得度

★★★★☆(5分の4)

⑤「サブスクライフ」引越しのたびに家具の全部交換も可能に

 意外なところでは、家具のサブスクリプションサービスも登場している。代表的なのが「subsclife(サブスクライフ)」だ。

 

 18年9月から提供が始まった「サブスクライフ」は、人気ブランド家具やこだわりのデザイン家具が月額500円(税込)から利用可能。利用期間は3~24か月の間で自由に選べる。申し込みの多い利用期間は12か月または24か月で、今のところ月5000円程度支払っているユーザーが多い。イメージとしては、「ダイニングテーブルと椅子4脚などといった組み合わせになります」(サービスを運営するカマルクジャパン広報担当)という。利用期間が終わると、継続利用、返却、購入の3つの中から選択する。

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「サブスクライフ」で借りられる家具の一例

 家具は住むところが変われば変えたくなるが、その都度買い換えていたら手間とコストがかかる。一定額を毎月支払って利用するというのは、なかなか合理的だ。

お得度

★★★★★(5分の5)