この大手通信社とは共同通信社。
文春の記事によると、都内の有名大学に通うAさんは、共同通信の企業説明会で知り合った共同通信・総務局次長兼人事部長(記事では実名)に「作文を添削してあげるよ」と呼び出され食事をした。しかし、Aさんが終電を逃してしまったため、共同通信社の目の前にあり、同社記者の定宿でもあるホテルの部屋を人事部長が取ってくれたという。Aさんはそのホテルにひとりで泊まろうとしたが、人事部長が部屋まで入り込み、関係を迫ってきたというのだ。
この卑劣な行為に怒ったAさんは人事部長との面談を申し入れた。その面談の翌日に人事部長は上司に事の成り行きを報告したそうだが、社内の査問でも「好きになってしまったものは仕方がない」と反省の色は見えなかったという。
文春の取材に対し、当の人事部長は「会社に聞いてください」の一点張り。共同通信社の広報担当が取材に応じたが「承知していない」とし、さらに「単なる噂でいちいち調査します? しないよねえ」と報道関係者とは思えない発言をしたという。
最近の大手マスコミ関係者の不祥事を振り返ると、同じく共同通信の記者が、パソコン遠隔操作事件で犯行声明文を送るのに使われていたメールのサーバーを複数回閲覧したことが、不正アクセス禁止法に抵触するのではないかと今年の4月に報じられたばかり。
また記憶に新しいところでは、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏がニューヨーク支局在籍時に滞在関連費用を不正使用し降格処分に。
ほかにも、日本テレビでは、船越雅史アナが写真週刊誌「フライデー」(講談社)にセクハラ事件でチーフアナウンサーから降格させられたと報じられ、馬場典子アナはプライベートで行った海外旅行での横領疑惑を文春に報じられた。日テレはアナウンサーだけでなく、会社自体も2年間で約1億5000万円の申告漏れを東京国税局に指摘されたと今月3日に報道されたばかりだ。
さらに“皆様のNHK”の森本健成アナが、昨年11月に東急田園都市線内で女子大生に痴漢行為をしたとの疑いで逮捕された(その後、不起訴処分に)。
いわずもがな、マスコミは国家権力の監視などという前に、権力化した自らの立場におごることなく、くだらぬ問題で自らの首を締めることのないよう、気を引き締める必要があるだろう。
(文=本多カツヒロ)