川崎重工で社長解任の“クーデター” 市場は好感も、役員にのしかかる代償とは?

川崎重工で社長解任の“クーデター” 市場は好感も、役員にのしかかる代償とは?
 造船重機大手の川崎重工業で13日、長谷川聡社長をはじめとする3役員が解任される“クーデター”が勃発したことを各メディアが大きく報じている。

 14日付の朝日新聞のまとめによれば、同日の臨時取締役会で長谷川社長、高尾光俊副社長、広畑昌彦常務を解任する緊急動議が提出され、残る取締役10人全員が賛成。後任社長には、村山滋常務が昇格した。

 解任の理由は4月22日、日本経済新聞が報じた三井造船との経営統合交渉だった。川崎重工はこの件について「当社が発表したものではなく、そのような事実はない」と説明してきたが、長谷川氏らが独断で交渉を進めてきたことを、村山氏がついに認めた。5月23日に行われた取締役会後の検討会議では、統合反対派が多数を占め、6月26日に迫る株主総会を前に「統合交渉を取締役会にはかるべきだ」という意見が出たものの、3人は手続きをすぐには進めなかったという。

 こうした状況で役員らに不信感が募り、3人が「コーポレートガバナンス(企業統治)の観点から見過ごせない行動を繰り返した」(村山氏)として、電撃解任に至ったというわけだ。

 今回の解任劇を市場はどう捉えたのか。14日の毎日新聞は「株価上昇、統合白紙を市場が評価」として、同日の東京株式市場で川崎重工が前日終値比13円(4.24%)高の319円をつけたことを伝えている。一方の三井造船は、8円(5.51%)安の137円と低迷した。

 同紙のまとめによれば、幅広く事業を展開する川重にとって、造船部門の売上高は全体の1割弱に過ぎないが、三井造船は売上高の5割強を不況の造船事業に依存しており、2013年3月期は82億円の最終(当期)赤字に転落している。市場では当初から「三井造船の救済色が強い統合案」(大手証券)という見方が強く、交渉打ち切りは川重にとってプラス、三井造船にはマイナスとの受け止めが広がったようだ。ブルームバーグも、メリルリンチ日本証券が「取締役会が適切に機能していることが裏付けられた」「社長交代はポジティブ」との見方を示したことを伝えている。


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