法テラスで無料相談できるのはやはり1回30分まで。さらに1案件につき相談できるのは3回限り、という点がちょっとしたネックになっている。しかし、法テラスで相談にのってくれた弁護士に依頼して事件の解決に当たる場合、収入などの条件を満たし、ごく簡単な審査を通ると法テラスの援助(弁護士費用の立て替え等)を受けることもできるため、嬉しい制度といえよう。
しかし、相談者が弁護士を選ぶことは原則的にできないため、3回相談しても相性が良くない弁護士にしか出会えない、という悲劇も起こりうる。
こんな時の対策として、「法テラス以外で知り合った弁護士に、案件を法テラスに持ち込みしてもらう」という裏ワザが存在するのだ。法テラスといえども公共機関。一定数以上の事件を扱わないと次年度に予算を削られる危険と隣り合わせの存在だ。あまり大きくアピールはしていないにせよ、一般の弁護士からの持ち込みは大歓迎の様子。「法テラスからうちの法律事務所に『積極的に案件の持ち込みをお願いします』と通信がちょくちょく来るんですよね」と法律事務所に勤務するスタッフが言うほどなのだ。
もちろん法テラスに持ち込んでしまうと弁護士の取り分は若干少なくなる。そのため、持ち込みを断る法律事務所もあることは、覚悟しておいたほうが良いだろう。
●法律事務所の無料相談デフレの影響か、それとも相談料がオープンプライスになったためか、近年「30分以内相談無料」「初回1時間以内相談無料」といったサービスを提供する法律事務所が増えてきた。もちろん制限時間を超えると15分3000円、30分5000円など、その事務所が定めるタイムフィーに従って有料になる。とはいえ、プロの弁護士に無料で相談できるのは一般市民にとってありがたい限りだ。