“一大産業”放射能除染、知られざる除染作業員の仕事と条件…本当に高賃金といえるのか?

“一大産業”放射能除染、知られざる除染作業員の仕事と条件…本当に高賃金といえるのか?
 福島第一原子力発電所の事故がきっかけで広く知られるようになった職業のひとつに、「除染作業者」というものがある。除染はもともと歴史的に価値のある建物や芸術品の表面の汚れを取り除く作業のことを意味していたのだが、それが放射能という領域で使われるようになったのは旧ソ連・チェルノブイリの原発事故以後のようだ。

 除染作業とは、被災地の民家、道路、田畑、校庭など放射能の汚染地域で、放射能を除く回復作業を行うことだが、この除染作業の経済規模は、福島県内だけで最大約5兆円かかるとの試算がある(産業技術総合研究所調べ)。2013年までに政府は除染経費として1兆1500億円を計上しているから、残りは3兆8500億円。この途方もない費用は東京電力が負担するわけではなく、いずれは利用者が払う電気料として回ってくることになる。来年度の日本の予算規模99兆円に比べても、巨大な数字である。別の言い方をすれば、除染は莫大な雇用吸収力のある産業ともいえる。

 除染の仕事は、東京電力からゼネコンが共同して受注する。形式上はそうなのだが、実際の作業はほとんどゼネコンの下請け、孫請けの作業員に回ってくる。ゼネコンは原発の建設で儲け、事故が起きても儲けるというわけだ。ひと頃、除染のために集めた土砂や木の葉などが川に流されている実態が明らかとなり、「放射能汚染を拡大しているようなものだ」と批判が集まったが、除染の実態もこうした請け負いの形態からもたらされたものといえるだろう。


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