
会社の飲み会といえば、職場の仲間と酒を飲んで交流を深めるという名目のもと、実際は酔っ払った上司の説教やグチを延々と聞かされたり、セクハラやパワハラの温床にもなったりと、あまりいいイメージがなかったもの。「飲みニケーション」という言葉自体、すっかり過去のものになっていたはずなのだ。しかし、どういうわけか最近、その社内飲み会が見直されているのだという。
例えば、日立ソリューションズでは「段々飛び懇親会」という社内飲み会を行っている。部長と主任のように、役職や部署が全然違う社員同士の飲み会を制度化したうえ、1人当たり3000円の飲み代を会社が負担しているのだ。また、ある中堅の製造業も、社内コミュニケーションの活性化を目的に「懇親会手当」という制度を導入。管理職と部下が一緒に飲むと、会社から1人当たり数千円の補助金が支給されるという。
さらに、求人サイトなどを運営する大阪のギャラクシーエージェンシーは、社長を含めた全社員を対象に「シャッフル飲み会」を2カ月に一度行っている。これは社員をランダムに選び、5~6人で1グループとする、誰と一緒になるかわからない飲み会で、社員同士が仕事についてざっくばらんに話し合うというもの。もちろん、飲み会の費用は会社が全額負担する。極めつきは求人サービスサイト「アルメン」を運営する日本産業広告社で、スタッフ募集の最終面接は社長同席の飲み会としているという。