難関大学合格、崩れる私立高校有利、なぜ公立復調?東大合格数の順位から検証

難関大学合格、崩れる私立高校有利、なぜ公立復調?東大合格数の順位から検証
 毎春恒例の、東京大学をはじめとする難関大学合格者の出身高校別ランキングが発表されている。もっとも、意外性はなかった。東大合格者数のトップは1982(昭和57)年以来、33年連続首位を守っている開成であり、2位以下も灘、麻布、駒場東邦、桜蔭など、お馴染みの中高一貫校が名を連ねている。
 
 結果を見て、「やはり私立校は進学に強い」「難関大学に行くには、やはり私立」と受け止めた向きは多いのだろう。確かにトップクラスの私立進学校の進学実績は優れている。1970年代に都立校や首都圏の公立校の多くが学校群制度によって凋落してしまって以降、難関大学の合格者ランキングで上位を占め続けているのも事実だ。

 しかし過去のデータを丹念に追ってみると、また違う眺めが見えてくる。「難関大学への進学ならば絶対に私立校」とは言い難くなっているのだ。
 
 文末の表は、例年東大合格者数で上位に顔を出す私立進学校の、この3年の東大合格者数とピーク時の合格者数を比較したものだ。首位が定位置になっている開成や超安定校の駒場東邦、新興勢力である渋谷教育幕張はともかく、他の私立進学校の最近の実績は最盛期には遠く及ばないことがわかる。中にはピーク時と比較して4分の1近くまで激減してしまっているところさえある。意外に感じる方は多いかもしれないが、トップクラスの私立進学校であっても、もはやかつてほどの進学力を示せなくなっているわけだ。

 多くの私立校の東大合格者数のピークが1980年代から90年代に集中しているのも、関係者や学生の努力ばかりではなく、経済環境も影響していると思われる。80年代はバブルに象徴される好況の時代であり、なんであれ価格の高いことが評価されるような風潮さえあった。90年代はバブル崩壊があったものの、世帯収入は90年代後半まで伸び続けていた。厳しくなりつつあったものの、公立校に比べて格段に高い私立校の学費の負担に耐えられる家庭はまだ多かった。


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