今回は仮想通貨取引をめぐる税金について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。
亮子「仮想通貨を保有しているだけでは所得税はかからないということね」
啓子「はい」
亮子「売却した時に、取得時の価格との差が利益や損失となる。利益の場合には所得税が課せられる」
啓子「はい。その利益の計算方法について、少し詳しく見てみましょう!」
仮想通貨に税金がかかるとき仮想通貨を入手し、保有している時には、税金はかかりません。ちなみに、仮想通貨は法定通貨ではないものの、貨幣として認められているため、売買に消費税もかかりません。税金がかかるのは、(1)売却した時、(2)仮想通貨で支払いをした時になります。(1)の場合には、売却した価格と購入額との差額が利益、(2)の場合には、支払いにあてた額と購入額の差額が利益となり、雑所得となります。
いくらで取得したかは「平均」で計算する仮想通貨の所得の計算をするためには、仮想通貨をいくらで購入したか、取得価額を把握する必要があります。もちろん、購入時の金額が取得価額とされるのですが、複数回異なる価格で購入した場合には、取得価額を計算しなければならないのです。計算方法は(1)移動平均法または(2)総平均法を用います。いずれの方法も購入金額を平均して計算するのですが、それぞれ平均するタイミングが異なります。下記のような取引をしたものと仮定して、どのように計算するのか見てみましょう。