今年の秋は関東地方や東北、中部地方を次々と大型台風が襲い、ライフラインが壊れたが、そこで政策として注目され始めたのが電線の地下埋設、無電柱化だ。ものすごいコストがかかるため、どの地域でも、これまでは足踏み状態だが、この政策を早くから掲げていたのは小池氏だ。コストをどう安くできるのかとあわせて、災害やテロに強い街づくりが注目を集め始めた。こうした先取り能力において、小池氏は卓越している。
しかし、なんといっても凄いのは5Gを整備して世界最速のモバイルインターネット網で世界最先端の都市を目指す『TOKYO Data Highway(東京データハイウェイ)戦略』ですよ。小池氏はヤフー元社長の宮坂学氏を副知事に据え、東京の持つ空き資産や首都高周辺などに次々と基地局を設置する方向。さらに資本も投下して中国やアメリカにも勝つ世界最先端の5G都市をつくり上げたいと意気込む。これが実現すれば、交通網も医療もあらゆる点で世界屈指の5G都市になるのは間違いない。彼女は再選後の東京のあるべき姿を目指し、ものすごい政策を動かし始めたのです」
筆者も長い間、国政に進出した頃から小池氏を見ているが、一見無理と思える政策を実現するために、ヤルと決めたら邁進する実行力はものすごい。そして柔軟な発想も持っている。
今回、小池氏が再選する可能性が高いと考えられる5つの理由をあげたが、これらに小池氏のバイタリティ、東京や日本を良くしたいという強い思いが加われば、果たして小池氏に勝てる候補はほかにいるのかと思えてくる。
小泉元首相が19年10月、二階氏、小池氏と会食後に「自民党は今、(小池氏以外の)候補者を検討しているようだが、小池さんに勝てる候補はいないだろう」と漏らしたのは、まさに現状を冷静に分析した言葉ともいえる。
東京オリンピックのマラソンをIOCが突然、札幌に移転すると公表したとき、激しくIOCに抗議、東京都民の心を代弁したあたりで、小池氏再選の追い風はさらに強くなったと思うのは筆者だけか。そして自民党は、そんな小池氏に勝てる候補を擁立できるのだろうか。
(文=田村建雄/ジャーナリスト)
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