コチュジャンを舐めるだけで990円がもらえる――。そんな“コチュペロ錬金術”がネット上で話題となっている。

 連日メディアを騒がせていた“トリキの錬金術”をご存じの方も多いだろう。Go To イートキャンペーンのうち、オンライン予約で付与される1000円分のポイントを入手するため、居酒屋チェーン・鳥貴族を予約し、298円均一(税込み327円)でのなかの商品をひとつだけオーダーして帰る、というこの“錬金術”。予約するたびに差し引き673円分の“得”をすることから、実際にやってみる者が続出。世間でおおいに問題視されたが、そのはるか上をいくのが“コチュペロ錬金術”だというのだ。

調味料だけを注文すれば、「“トリキの錬金術”をはるかに上回る990円の利益が出る」とのツイート

 この手法が話題となったきっかけは、月刊誌に「1週間食費0円生活」などの連載を持つというフリーライターの山野祐介氏が10月3日にTwitterで行った投稿。そこには、「Go to eatで鳥貴族の釜飯食ってはしゃいでるのは最近ポイカツ(笑)始めた素人さんなのかな?プロは焼肉安安で席だけ予約してコチュジャン単品10円からの最速コチュジャン舐め取りで退店してるよ」とのコメントと共に、オンライン予約サイト・ホットペッパーに掲載された焼肉チェーン・七輪焼肉安安の某店舗の紹介ページやメニュー表が。

Go to eatで鳥貴族の釜飯食ってはしゃいでるのは最近ポイカツ(笑)始めた素人さんなのかな?

プロは焼肉安安で席だけ予約してコチュジャン単品10円からの最速コチュジャン舐め取りで退店してるよ pic.twitter.com/6paP87F5yK

— 山野祐介 (@yamanoyy) October 3, 2020

 そのメニュー表には、コチュジャンやサンチュミソ、マヨネーズ、柚子胡椒、練りわさびの5種類の調味料の価格として、税込み10円の表記が。これを単品で食べて帰ることができれば、“トリキの錬金術”をはるかに上回る990円の利益が出る、というわけだ。

 とはいえネット上ではこの行為に対して、「金を得て尊厳を失うでしょ、恥ずかしすぎる」「人としてどうかと思う」など批判が殺到。「こうやって恥を捨てるのが成功の秘訣なのかもね」「結局もらったポイントは別の飲食店に落ちることになるからまあいいのかな」という擁護(?)の声も散見されるが、“トリキ”を超えるアコギな行為に多くの人が嫌悪感を抱いたようだ。

 そのため、きっかけとなった山野氏の投稿「コチュジャン舐め取り」が「コチュジャンペロペロ」に変化し、さらにこれを略した“コチュペロ”なる言葉が誕生。この行為に手を染めたとする者に対して、“コチュペロ民”という蔑称が使われることとなっている。

加藤勝信官房長官が「国民の皆さんの公平感で見てどうなのか」と制度の見直しを示唆

 実際のところ、この“コチュペロ”行為にどれだけの人が手を染めたのかは定かではないが、Twitter上では、類似の“錬金術”の被害に遭ったという飲食店員の投稿が話題に。“コチュペロ”でターゲットとされた七輪焼肉安安とは別の店のようだが、当該飲食店員が「4日連続で30円の調味料をオーダーされて激怒した」との投稿をしたところ、8日時点で4万以上の「いいね」を集める状況となっている。

ついに危惧してたことが起きて爆笑ww
GOTO eatで1人予約で調味料オーダーで会計www(30円) しかも4日連続同じ時間で同じ奴………二度と来なくていいですよって言っちゃった( ^∀^)
 なんか本部にクレームいれるらしいのでどうぞご自由にと言って終わりましたまる   ガチ乞食はキツいっす

— 真輝(機兵起動) @FF14 GaiaDC Alexanderに生息 (@RabomenNoMAKI) October 7, 2020

 とはいえ、現在では“トリキの錬金術”は鳥貴族サイドが対応し、席だけの予約をGo To イートのポイント付与対象外に変更。席だけの予約は電話で対応するという対策を打ち出したことで、終息を迎えている。

 また、キャンペーンを悪用したともいえるこうした“錬金術”行為を政府も問題視。10月7日に行われた記者会見において加藤勝信官房長官が、「国民の皆さんの公平感で見てどうなのか」「必要な対応を検討している」と、制度の見直しを示唆している。

そのため、こうした手法は早晩利用できなくなるだろうという見方が大半だ。

キャンペーン施行前に、悪用できないよう万全な対策を期すべきではないか

 とはいえ、この種の悪質なポイント取得の裏技的利用は、これまで何度も問題視されてきた。過去には、クレジットカード払いで電子マネーを購入し、その支払いを電子マネーで行うことで付与されるポイントだけが残る――という“永久機関”なる方法が開発され、話題となったことも。(現在は、電子マネー等の購入にクレジットカードを用いることはできず、またクレジットカード等の利用料の窓口支払いにおいて電子マネーを利用することもできなくなっており、この手法は不可能化)。

 もちろん、悪用をする側のモラルの問題もあるが、こうした抜け道があれば試してみたくなる人の性。行政施策でも民間のキャンペーンでも、この種のポイント付与制度を導入する際には、悪用されないような対策をきちんと施しておくべきではなかろうか。

(文=編集部)