キャスターの宮根誠司が司会を務める『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)。同番組を制作する読売テレビは、先日行った春の改編発表で、同番組の関西地区の視聴率が3月中に4回も5%台(ビデオリサーチ調べ、以下同)に降下したことを明らかにした。



「その席上では、3月8~10日には3日連続の5%台となり、裏番組のフジテレビ『直撃LIVE グッディ!』(1部)を下回る波乱が起きたことも語られました。その後、6~7%台に回復したことが伝えられましたが、関西のお昼といえば『ミヤネ屋』だっただけに、今までは考えられなかったことです」(テレビ局関係者)

 さらに、関東での視聴率にも異変が起きているという。

「それまで7~8%が通常でしたが、3月30日の数字を見てびっくりですよ。この日は4.7%。対して『グッディ!』(1部)は3.1%で、わずか1.6%の差しかないのです。さらに『ゴゴスマ~GO GO!Smile!~』(TBS系)は3.6%と、昼の番組はかつてない大混戦になっています」(同)

『ミヤネ屋』はお膝元の関西だけではなく、関東でも失速し始めたということだろうか。


「宮根の軽妙なトークが、一定の視聴者には『にぎやかで楽しい』と受け入れられている一方、『やかましい』『適当すぎる』などと強いアレルギーを持つ人も多い。そういう視聴者が、比較的おとなしい裏番組に流れているようです。とはいえ、『グッディ!』の安藤優子のジャーナリスト然とした高圧的な態度を毛嫌いする人もいて、要はそれぞれの好みというわけです」(同)

●『ミヤネ屋』にチラつくバーニングの影

 宮根の“偏向”ともいうべき報道姿勢に失望している視聴者も多いようだ。

 直近でいえば、レプロエンタテインメントで起きたゴタゴタに関してだ。彼は一連の騒動に対し、「レプロから出て行った人は徹底的に叩き、所属している人のスキャンダルには口をつぐむ」という姿勢をとっている。

 のん(能年玲奈)の独立騒動が問題になった際、宮根は「事務所に内緒で自分で事務所を無断でつくるというのは、これ、ルール違反ではありますよね」と厳しく糾弾した。


 さらに、清水富美加が訴えた「レプロは月給5万円」という窮状については、「そんなに、まだお金の価値もわからない子にガバッとあげても大変なことになる」と語り、主演映画の撮影やプロモーションがストップしたことに対して「撮影途中で主役がいなくなる。これはとんでもないことですよ」と、いずれも批判的な言動に終始した。

 だが、舌鋒鋭い宮根の姿は一転、レプロ所属のマギーとパンクバンド「Hi-STANDARD」のギターボーカル・横山健の不倫疑惑の際には鳴りを潜めた。

「マギーの不倫疑惑については、語るどころか番組内でまったく触れませんでした」(同)

 去る者には強くあたる一方で、事務所に残っているタレントのスキャンダルについては目をつぶる。そのあからさまな“差”は、どこから生まれているのだろうか。

「彼の所属事務所は、テイクオフ。
羽鳥慎一や田中みな実も所属している芸能プロダクションですが、ここは“芸能界のドン”といわれ、業界で幅を利かせている周防郁雄氏が社長を務めるバーニングプロダクションの系列です。バーニング系は、自社もしくは系列会社にとって不都合な事実はすべて“かん口令”を敷くか、必要以上に“擁護”する体質で知られています。レプロもバーニング系ですから、宮根も、その犬としてレプロの不満分子を叩き、身内をかばっているのです」(芸能記者)

 つまり、宮根と『ミヤネ屋』の“都合のいい報道精神”に反発している視聴者が、裏番組に流れている可能性もあるというのだ。

●松本人志や坂上忍とダブる宮根のポジション

 まるで“お茶の間の代弁者”のように、日々カメラの前に立つ宮根。しかし、そこに“ジャーナリズム”などないのではないだろうか。前述のような姿勢では、結局、保身と1日60万円ともいわれるギャラのためと思われても仕方がない。
だが、それ以上に問題視すべき点がもうひとつあるという。

「それは、芸能ワイドショーが増えているということです。既存の番組に加えて、最近は『ワイドナショー』(フジテレビ系)や『バイキング』(同)などもあり、いわば飽和状態。さらに『爆報!THEフライデー』(TBS系)や『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)といった芸能人の告白番組も人気を集めています」(同)

『ミヤネ屋』に限らずテレビ全体の問題ではあるが、ときに笑いを交えながら政治に斬り込む宮根のポジションは、『ワイドナショー』の松本人志や『バイキング』の坂上忍とダブる。宮根の存在感は、決して唯一無二ではないということだ。いずれにしても、『ミヤネ屋』の今後の視聴率が楽しみである。

(文=編集部)