皇室、年間98億円の税金支出…絢子さまへの結婚支度金1億円が非課税になる理由

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな省庁は「宮内庁」です。

 結婚で皇室を離れられる高円宮家の三女絢子さまに、国から1億675万円の一時金が支給されることが決まりました。この一時金は、元皇族としての品位を保持するためとして、皇室経済法で支給が定められています。

 さて、この一時金は所得税法上、どのように扱われるのでしょうか。通常、国からこのような支給があった場合、「一時所得」に該当すると考えられます。一時所得の控除額は50万円ですので、その年にほかに一時所得に該当するものがなければ、1億625万円の2分の1の金額を、ほかの所得と合算して所得税を計算することとなり、所得税額はおよそ4300万円となります。

 しかし、所得税について定めた所得税法第9条には次のようにあります。

【所得税法】
第9条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
十二 皇室経済法第四条第一項(内廷費)及び第六条第一項(皇族費)の規定により受ける給付

 つまり、「内廷費や皇族費としてもらったお金には所得税がかからない」といったことが書いてあります。そこで、皇室経済法を見てみます。

【皇室経済法】
第6条 皇族費は、皇族としての品位保持の資に充てるために、年額により毎年支出するもの及び皇族が初めて独立の生計を営む際に一時金額により支出するもの並びに皇族であつた者としての品位保持の資に充てるために、皇族が皇室典範の定めるところによりその身分を離れる際に一時金額により支出するものとする。

 今回の報道は、同条文後半の「皇族であつた者としての品位保持の資に充てるために、皇族が皇室典範の定めるところによりその身分を離れる際に一時金額」に該当すると考えられます。皇族が一般の方と結婚するに当たって身分を離れるときは、お金がもらえるわけです。そして、それは非課税と定められています。国からお金をもらって、そのうち45%を所得税で納めるとなると、“行って来い”になってしまいます。似ている仕組みとして、公務員の給与がありますが、それと比較すると皇族費は圧倒的に特別な給付であり、特例を設けて非課税とすることに違和感はありません。

 皇族に関する省庁といえば宮内庁です。宮内庁のHPの「皇室の経済」の項目では、以下のように皇室の予算が明らかにされています。

【皇室財産・皇室の費用】

 すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経る必要があります。予算に計上する皇室の費用には、内廷費・皇族費・宮廷費があります。

「内廷費」…天皇・内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるもので、法律により定額が定められ、平成30年度は、3億2400万円です。

「皇族費」…皇族としての品位保持の資に充てるためのもので、各宮家の皇族に対し年額により支出されます。皇族費の基礎となる定額は法律により定められ、平成30年度の皇族費の総額は、3億6417万円です。なお、皇族費には、皇族が初めて独立の生計を営む際に一時金として支出されるものと皇族がその身分を離れる際に一時金として支出されるものもあります。

「宮廷費」…儀式、国賓・公賓等の接遇、行幸啓、外国ご訪問など皇室の公的ご活動等に必要な経費、皇室用財産の管理に必要な経費、皇居等の施設の整備に必要な経費などで、平成30年度は、91億7145万円です。

――以上、宮内庁HPより。

 合計すると、年間で98億円程度かかるようです。この金額が多いのか少ないのかは判断できませんが、特に宮廷費の支出が目立ちます。皇族費の金額には定額がありますが、親王、妃、内親王、摂政といった位によって、乗率が異なります。また、身分を離れる場合は、皇族費の10倍が支給されます。

 さらに、皇室経済法施工法には、その「定額」が定められていて、計算の基礎となる皇族費は3050万円です。支給額は、この定額から位によって計算されていますが、先程述べたように、金額がいくらであろうと非課税となり、確定申告は不要です。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

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