「花粉症が苦しくて寝られない」問題を劇的に解消する方法

 気温が上がり、本格的に春の到来を感じる今日この頃。時間も場所も問わず眠気に襲われる、という人も多いのではないだろうか。実は、春の眠気の原因は暖かい気温のせいだけではない。この季節ならではの「ストレス」や「外的要因」によって睡眠不足になり、日中の眠気を招いてしまうこともあるという。寝ても醒めない、春の睡眠の謎に迫った。

●冬と比べて睡眠の質が格段に上がる「春」

 有名なことわざ「春眠暁を覚えず」は、「春の夜はまことに眠り心地がいいので、朝が来たことにも気づかず、つい寝過ごしてしまう」ことを指す(出典:デジタル大辞泉)。

「春は一日中ずっと眠い」という意味だと勘違いしていた人もいるのではないだろうか。

「『春眠暁を覚えず』が示すのは、朝方にうとうとしていたらもう一度寝入ってしまった、最高の二度寝のパターンでもありますね。春は、夜にぐっすり眠り日中は活動的になれる、メリハリが効いた季節でもあるんです」

 そう話すのは、日本睡眠改善協議会上級睡眠改善インストラクターの安達直美さんだ。安達さんによると、「冷え込みが激しい冬に比べて、春は睡眠の質が格段に上がる」という。

「あまり意識している人はいないかもしれませんが、就寝する部屋の温度や湿度、日照時間などの外的要因や日中の運動量は“睡眠の質”を大きく左右します。冬は夜が長いので睡眠時間も長くなるのですが、熟睡するには気温が低く、日中もあまり動かないので“睡眠の質”が悪くなる傾向があります。一方、春の温度と湿度は睡眠に適しており、日中も活動的になるので睡眠の質がアップする時期なんです」(安達さん)

 睡眠に適した季節にもかかわらず、日中に眠気を感じる人は夜に十分眠れていない可能性が高い、と安達さんは指摘する。

「『春眠暁を覚えず』は、ポカポカとした心地良い陽気によって眠くなったり寝過ごしたりすることではなく、あくまで朝方までぐっすり眠れるという話です。なので、日中に感じている眠気は、ただの睡眠不足によるものである可能性が高いんです」(同)

●春の睡眠不足が花粉症や5月病に連鎖?

 特に現代人の春は睡眠の質を下げる要素であふれている、と安達さんは指摘する。

「睡眠に適しているとはいえ、春は季節の変わり目です。寒暖差や気候の変化が睡眠に大きな影響を与えているのは間違いないでしょう。特に影響が大きいとされているのは、不安定な気候が引き起こす“自律神経の乱れ”です」(同)

 春は低気圧と高気圧が入れ替わる気圧変動が頻繁に起きる季節。季節の変わり目特有の不安定さが自律神経の乱れを引き起こすのだという。では、自律神経の乱れは睡眠にどのような悪影響を与えるのだろうか。

「自律神経には人間の体温をコントロールする役割もあるとされ、体温の調節は睡眠にとって欠かせない要素のひとつです。自律神経は、日中の活動時には“交感神経”を優位にして体温を上げ、眠るときは“副交感神経”に切り替えて体の深部体温を下げる働きをします。しかし、自律神経が乱れていると交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、睡眠を妨げてしまうのです」(同)

 自律神経が乱れると「活動」と「休息」がうまく切り替わらず、「日中は眠たくてボーッとしているのに、夜は寝つきが悪い」という逆転現象が起きてしまうこともあるという。そして、新生活のスタートによる「ストレス」や、歓迎会や花見などの「イベント疲れ」も自律神経のバランスを崩す原因になるので、注意が必要だ。

 また、春になると多くの人を悩ませる“アレ”も熟睡を妨げる原因になるという。

「昨今は、鼻づまりの息苦しさや目のかゆみなど、花粉のアレルギー症状によって眠れないという人が少なくないです。しかも、睡眠不足が続くと免疫系の機能が弱まり、アレルギー反応がさらに強くなるという悪循環に陥ります。花粉症による睡眠不足で、症状がさらに悪化してしまうんです」(同)

 やっかいな花粉シーズンを乗り越えても油断はできない。春の睡眠不足を放置しておくと「5月病」のリスクが高まるというのだ。

「『5月病』は医学用語ではありませんが、新社会人や新入生が新しい環境に適応できず、焦りやストレスを抱えている人が5月の連休後に気分が落ち込んでうつ状態になることを指します。環境変化のストレスや疲労が主な原因ですが、春先の睡眠不足の影響も大きいですね」(同)

●春に「軽い羽毛布団」がいい理由

 花粉症やストレス、5月病など、春に訪れるさまざまな不調の芽を摘むためにも、「春夏秋冬、季節に合わせた対策」が必要だと安達さんは話す。まずポイントになるのは部屋の温度だ。

「快眠が得られる室温は『16~26℃』といわれています。湿度は50~60%に保たれていれば、なお良し。体感としては、寝つくときに心地よく、明け方も寒くない“ちょうどいい温度”を意識しましょう。エアコンを使って室温を一定に保つ方法もありますが、春は唯一といっていいほどエアコンに頼らなくても過ごせる時期です。せっかくなら、寝具で調整してみてはいかがでしょうか」(同)

 少し暖かさを感じる夜は冬の毛布を外して掛け布団1枚にするなど、アイテムの取捨選択によって眠りの質も大きく変わるという。安達さんおすすめの掛け布団は「軽い羽毛布団」だ。

「昔ながらの厚くて重い掛け布団は寝返りがスムーズに打てずに熟睡を妨げるので、なるべく軽い羽毛布団を選びましょう。また、軽視しがちな『シーツ』も選び方次第で快眠をサポートします。個人の感覚で肌触りの良いものを使うだけでOKですが、私のおすすめは天竺編みのシーツ。天竺編みの素材は肌触りがサラッとしていて通気性も良く、汗をかいても不快感があまりないのが特徴です」(同)

 眠っているときに長時間肌に触れる「パジャマ」にもこだわってほしい、と安達さん。特に春は、外気温を気にせず「パジャマの感触をとことん楽しめる」という。

「春のパジャマ選びのコツは『肌触り』と『やわらかさ』です。眠るときにやわらかくて肌触りが良いものを身につけると副交感神経が優位になり、リラックス状態に導いてくれます。たとえば、オーガニックコットンなどの上質な天然素材を使った二重ガーゼ生地のパジャマは汗をかいてもサラッとしていて、とても快適。多少奮発しても、質の良いパジャマを着ると、腕を通したときの気持ちよさや目覚めたときの独特な幸福感がやみつきになりますよ」(同)

 そして、花粉症の人は花粉の対策も怠ってはならない。ヒノキ花粉の対策として5月まで空気清浄機を一晩中稼働させるなど、睡眠中の花粉の影響を最小限に抑える工夫をしよう。

「晴れた暖かい日にはシーツを洗濯して天日干ししたい気持ちもわかりますが、屋外に干すのは避けるのがベター。掛け布団や敷布団を干す際は、花粉除けのカバーをかけて干しましょう」(同)

 毎日のことで大変かもしれないが、気圧の変化や花粉、新生活のプレッシャーなど、自分ではコントロールしにくい“春のストレス”を軽減するためにも、寝具にはこだわりたいところだ。

「季節に関係なく、日中に活発に動いて夜はしっかり眠り、メリハリのある日々を過ごすと生活全般の質が上がります。また、適切な睡眠はストレスを軽減して疲労を回復し、仕事への意欲や集中力をアップさせます。自分の睡眠環境を見直して、ストレスが多い春を乗り切りましょう」(同)

 精神的にも肉体的にも負担が多い現代の春で「春眠暁を覚えず」を実現するには、自分に合った睡眠環境を整備する必要がありそうだ。
(文=真島加代/清談社)

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