『集団左遷!!』失速は福山雅治のせいじゃない!業界関係者が語る連ドラ視聴率のカラクリ

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

“平成最後”の連ドラとなった春クールのドラマも終盤に入り、最終回を迎えるドラマもちらほら出てきました。

 ぼくが注目していたのは、TBS日曜劇場での初主演を飾った福山雅治さんの『集団左遷!!』(TBS系)。福山さんの3年ぶりの連ドラ主演、2010年の『龍馬伝』(NHK総合)以来の香川照之さんとの共演、大ヒットドラマ『半沢直樹』(TBS系)を思わせる銀行を舞台にした下剋上物語と、話題性は十分だったのですが……。フタを開けてみると、「福山雅治の顔芸がサムい」「こんなに大根演技だったっけ?」「脚本が時代遅れ」など、酷評の

 視聴率でいうと、7%台まで下がった回もあったものの、だいたい10%前後はキープしていて、業界のなかにいる者としては、そこまでの大コケともいえないと思うんですけどね…。

 実は、今回の4月クールのドラマの視聴率にすごく大きな影響を及ぼしている要因があるんです。それは……“ゴールデンウィーク10連休”! ゴールデンウィーク10連休にドラマをやるって、ものすごくキツいことなんですよ。というのも、連休というのは一般に家庭の外出率が上がり、結果、テレビの視聴率は下がってしまうのが普通です。それが10連休ともなれば、推して知るべし……ですよね。

『緊急取調室』(テレビ朝日系、主演・天海祐希)のようなドラマはあまり影響を受けないんですけど、それはそもそもメイン視聴者層の年齢が高めで、連休でも遠くに出かけず、家にいる人が多いから。逆に、こういう連休時には、お仕事ドラマや恋愛ドラマのような、若い人が見るドラマはガクンと数字が落ちちゃう。“セット・イン・ユース”(テレビやラジオの全受信機の中で、何%が放送を受信しているかという割合)っていうんですけど、そもそもの視聴者数が減るので、どうしても視聴率が下がってしまうんです。

 もともと月曜が祝日の3連休って、日曜ドラマの視聴率が下がるのがセオリーなんですけど、それが毎日続いているようなものですね。『集団左遷!!』は、2回分の放送が10連休に引っかかったこともあって、もろにダメージを食らってしまった部分があると思います。

●脚本にリアリティがある『わたし、定時で帰ります。』

 でもそれはほかのドラマも同じことで、『わたし、定時で帰ります。』(TBS系、主演・吉高由里子)や『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系、主演・窪田正孝)みたいに、GWに一度下がってしまった視聴率をどんどん盛り返してるドラマだってあるから、一概には言えないんですけどね。

 視聴率がちゃんと戻ってくるドラマって、やっぱり内容がよくて、みんなの話題に上りやすいドラマなんですよね。放送の次の日、会社や学校で「昨日のドラマ見た?」「あのドラマの○○が○○だったよね~」ってみんなが話題にしたくなる。『わたし、定時で~』が、ネットで騒がれているのはよくわかります。脚本にリアリティがあってすごくいい。新入社員が口にする文句なんかが本当にリアルで、それに対する反応も今までだったら「新入社員はわかってないよね」って愚痴る展開になりがちなんだけど、そうではなく、その子の気持ちを受け止めて、じゃあどうやって前向きに解決していくかというドラマになっている。お仕事ドラマでは、今までありそうでなかった内容だと思います。

 そう考えると、福山さんのドラマは見ている人が共感する要素が少し足りなかったのかな。なかなか自分ごととして感情移入して見られないというか…。

●初回の視聴率は、主演俳優の責任

 ただね、これは業界の内側にいる人はみんな思っていることだと思うのですが、「ドラマの責任を役者が負う」って、そもそもちょっと違うよ、というね。

 より厳密にいうと、「初回」の視聴率は、これは「役者の責任」も大きいんですよ。ドラマって最初はやはり「誰が出ているか」で視聴開始されることが多いから、要は出ている役者さんの人気によるところが大きい。

 でもね、第2話以降の視聴率って、どうでしょう。それってどちらかというと、役者よりも脚本や演出、プロデュース……要は制作側の問題じゃないでしょうか。だってだいたいの視聴者は、1話目が面白いかどうかで、次回以降も見るかどうかを決めるわけですから……。アレコレいわれている、『集団左遷!!』における福山さんの“顔芸”だって、福山さんが勝手にそうやっているわけではもちろんなくて、そういう演出なわけですからね。

 だからザックリ乱暴にいってしまうと、初回の視聴率は、主演の役者が持っている数字。でも、そこから先、視聴率がどう変化していくかは、制作陣の力量による数字だと思うんです。そもそも視聴者に選んでもらえるかどうかは役者の人気によるから、そこをネットニュースやSNSでアレコレいわれるのはしょうがないと思います。でも、初回の数字がよかったのに、その後視聴率が下がったことのすべてに関して、「福山のドラマが大コケ!」「福山の顔芸がひどいから!」と主演俳優がすべての戦犯みたいに書かれてしまうのは、少々気の毒ですよね…。

●“チャレンジャー”福山雅治

 そもそも福山さんなんて、あれだけ音楽的に成功していて、映画でも評価が高く、是枝裕和監督の『そして父になる』なんかでカンヌ国際映画祭にも行っていて、普通に考えれば、そんなに連ドラなんてやらなくてもいいと思うんですよ。たま~に、自分が本当にいいと思える映画とかNHKのドラマにだけ出て、時々CM仕事で高額ギャラをいただいてあとは極力マスコミへの露出は控える……ある程度売れてしまえば、そんなタイプの役者さんなんて大勢いますよね。なのに、あえて連ドラに出る。そして、視聴率が悪いと叩かれる(笑)。

 たぶん、もうそれは彼の性というか業というか、やっぱり新しいチャレンジを常にしていたい人なんでしょうね。今回のドラマでも、“どこにでもいるような普通のサラリーマン”という、最近の福山さんにしてはわりと珍しいタイプの役柄に挑戦していますしね。

 対して、自分のイメージを壊さない、同じようなタイプの役柄を演じることが多い“スター”タイプの俳優さんも多くて、高倉健さんなんかがその代表格。「不器用で寡黙だけど誠実な男」というイメージが高倉健さんの代名詞にもなっていて、ついこの5月に逝去された降旗康男監督と共に、『鉄道員(ぽっぽや)』『駅 STATION』など数々の名作を残されています。最近だと木村拓哉さんがそうで、いろんな役柄を演じてはいるけれど、基本的には、“一見そうは見えないけど、キレ者”という、ワンパターンの“味付け濃いめ”キャラですよね。

 もちろん、今回、福山さんに“どこにでもいる普通の男”を演じさせるというチャレンジが、どこまでご本人によるものなのか、あるいはドラマ制作側の判断によるものなのかは知りませんが、でも、いずれにせよそのチャレンジを、福山さんが受け入れたわけですからねえ。最終回に向けて視聴率は上昇してきましたが、どうなることやら…。

●「連ドラの主役」を引き受けることの“責任”

 このようにドラマの視聴率は、役者の人気や演技力、脚本や演出などの制作陣の力だけでなく、GWや祝日にも大きく影響されています。

 ほかにも、天候だったり、あるいは他局の裏番組に大きな特番が入ったり、そのドラマの直前の時間帯に放送されている番組が人気があるかどうかなど、さまざまな要因で左右されてしまいます。それは、役者はもちろん、マネジメントする我々からしても、予測できることとできないことがあり、結局役者さんからしてみれば、「受けた仕事を精一杯やる」しかないんですよね。

 先ほど、視聴率が下がったからといって、主役がすべての戦犯みたいに叩かれるのは気の毒だというお話をしましたが、でも、逆にいってみれば、それを背負うのが“連ドラの主役”ということでもあるんですよ。だって、そのドラマが大ヒットすれば、「あの大ヒットドラマの主演」として祭り上げられるのも、また主演俳優なわけですからね。

 すべてを覚悟したうえで、役者はドラマに取り組んでるのだと思います。そのような役者の思いも少し心に留めつつ、ドラマを見ていただくと、また違う面白さが見えてくるかもしれませんよ。
(構成=白井月子)

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

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「『集団左遷!!』失速は福山雅治のせいじゃない!業界関係者が語る連ドラ視聴率のカラクリ」の みんなの反応 2
  • ニャニャー 通報

    キムタクにも羊母娘がいなくても大丈夫な人になってもらうしかないね❤

    0
  • 匿名さん 通報

    アミューズに所属する立場の弱いマネージャーかな?

    0
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