ザコシに時代が追いついた!?

 ハリウッドザコシショウが、6日の「R-1ぐらんぷり2016」(フジテレビ)で優勝した。知名度の低い芸人のため、何? それ誰? という人も多いのではないだろうか。

いままでも古畑任三郎の空耳的なモノマネ(ハンマーカンマー)で一時期ブレイクしかけたり、深夜番組「あらびき団」(TBSテレビ)でもダンボール芸で活躍するなどお笑い好きの一部には有名だったのだが、メジャーに向かない芸風から業界評価は「ゴールデンタイムには向かないタレント」「女性層には受けないもの」と認識されていたのだ。事実、とあるお笑いネタ番組のオーディションでは彼は何度受けてもまったく受からなかったという。それが一夜の大爆笑にして認識が一変したのだ。これからは表舞台に起用されることとなり、活躍が期待される。

動画ネタの一部にキツめなものが…

 しかしいわゆる独自の舞台芸を中心としていたことから、かつてのネタにはウ◯コをモチーフとしたものや、危険なCMパロディ、放送禁止語を含むキャラクターなど、社会性のある場所ではNGとなる表現も多い。それが一部でカルトな人気を博していたのだが、今後のテレビ活動にあたり封印されるものもいくつか出てきそうだ。

Youtubeの動画(2016年3月7日現在1,457本)は一部整理されていく可能性もあり、見るなら今のうちだ。

 最近秀逸だと支持されている「ドラクエの敵ものまね」やゲーム・マンガをモチーフにしたネタなど入りやすい動画が本人のチャンネルの表側には上がっているが、再生順の低い所まで行けばかなりのアングラ芸となり前述のようなきわどい表現も潜んでいる。
「(ファンだけを相手にしている)今はいいのだが、もし今後児童向けのコンテンツやCMなどの展開があった場合には、スポンサーや番組サイドなど第三者からの自粛要請が入りかねないのでは」(映像関係者・談)

 R-1を見てもまるで一見アブナイ人に見えるが、あれが素ではなく、実はR-1にあたりかなり調整をしているという。ネタ中「飲んでませんよ」と酒を飲んでないアピールをしていたが、本当は「やってませんよ」のクスリ描写を(テレビ向きに)自粛したものだとか。またいつもはブリーフなのをプロレス用のパンツにしたり、ものまねの密度を上げ、わかりやすいものを入れるといったテレビにあわせた本人なりの計算が功を奏した。

 今後はソーシャル・動画時代の芸人として、自在に泳いでいけるかが鍵となりそうだ。

(文・楠尾 袋)写真:SMA NEET HPから部分引用