さよならジャニー喜多川:ロマン優光連載139

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第139回 さよならジャニー喜多川

 始皇帝の昔から絶対的な権力を握った人間が死んでしまうと天下は千々に乱れるわけですが、私にとって、この現代日本で、その人がこの世を去ってしまったら彼の『王国』は崩壊してしまうのではないかと思わせるような二大巨頭と言えば、ジャニー喜多川さんと池田大作さん、ジャニーズ事務所と創価学会だったのですが、そのうちの一方であるジャニーさんが先日亡くなられてしまいました。
 そのまま力を維持していくのか? それとも分裂を招き弱体化するのか? 正統後継者と見なされているタッキーとそれをかつぐ人々に注目は集まるわけですが、かつての後継者候補であるヒガシがどう動くか気になってる人もいるかもしれません。ジャニーさんの生前はおとなしくしていた野心家が動きだすかもしれないし、内心おもしろく思ってなかったけれど力の前で屈していた外部勢力が切り崩しを始めるかもしれませんし、どうなるんでしょうね。そういうあれこれが、外部の野次馬の目に触れるようになるのはしばらくたってからなのですが、水面下では色々あるかもしれません。
 まあ、どんなに上手くまとめあげたとしても、誰かは主流派から落っこちていくのは避けられないことなので、スポイルされた人たちによって色んな立場の人が語る様々なジャニーズ『正史』が出てくることでしょうし、それはそれで興味深いことになるのかなと思います。
 ジャニーさんはゲイであるということは公然の秘密のように囁かれてきました。私が中学生ぐらいの時にも、なんとなくそういう認識でいたのを覚えています。北公次さんによる暴露本がでる以前から、そういう認識だったので、わりと広がっていた認識なのかなと思います。『噂の眞相』のような実話誌の記事の内容が口コミで子どもたちにも広がっていたということなのでしょう。
 ジャニーさんがゲイであり、少年愛の傾向があったことが、ジャニーズの独特のセンスの根本にあり成功に結び付いたということはよく言われています。私が思春期だったころ、80年代中盤から後半にかけてのジャニーズのアイドル・グループ(少年がメイン)は、一般的に言って同年代の同性、あるいは同年代のヘテロの男性が憧れるにはしょうしょうキツイ存在だったと思います。なんというか何か変でダサいセンスに感じてたんですよね。売れて以降のSMAP以後のグループよりも、より濃厚というか、ジャニーさんのセンスが強力に出ていた時期なのでしょう。それ以降は、各々の担当者のセンスが投影されているわけで。
 あの当時の自分にとって何とも理解しがたいセンス、あれも恋愛対象として少年を見ている人が最大限に自分にとっての魅力的な部分を誇張して引き出そうとしていたのだと言われたら、なんとなく納得できます。一部のおじさんの性的嗜好に合わせてカスタマイズされたタイプの女性アイドルが、一般的な女性に支持されにくいのと同じ感じですね。
 思春期の私は光GENJIや少年忍者のことをセンスがいいとか、かっこよいとか思うことは全然ありませんでした。小学生の時にマッチさんや少年隊はかっこいいと思っていたので、小学生だったらどう感じたのかはわかりません。マッチさんも少年隊も青年って感じで少年って感じでもなかったので、それがよかったのかもしれませんが。 光GENJIは何かが露骨だったんですよね。ただ、悪趣味で変で面白いものみたいな認識の楽しみ方をしていた記憶はあります。キノッピーは将来はおりも政夫さんのような司会者になるのだろうと思ってました。そうそう、キノッピーという呼び方をするのが何故か大好きだったんですよね。ロス五輪のマスコットキャラ・イーグルサムのアニメが放送されていた時に主題歌を歌っているイーグルスというグループがいて、ダサいなと子ども心に思っていたのもいい思い出です。って、なんかキノッピーの話ばかりしてますが。
 ジャニーさんと言えば、少年に対するセクハラというか、強制猥褻の噂が絶えない人でもありました。鹿砦社の暴露本シリーズや週刊文春の記事などで何度も告発されていますが、紙媒体はともかく、大手の放送媒体で触れられていた記憶はないです。何をやっていたのかははっきりとしたことは未だにわかっていませんが、文春との裁判で同性愛行為については裁判所から事実認定を受けているということはずっと言われてます。それはともかく、それが事実であるかどうか以前に、そういう話があったことすらテレビで触れられたことはなかったのではないでしょうか? それぐらい、ジャニーさんの作り上げたジャニーズ事務所というのは芸能界・テレビ界に大きな力があるわけですが、これからはそうもいかないでしょう。力が弱まれば、過去に遡ってその種の告発に纏わるもろもろが影響力のある媒体で取り上げられることだってあるでしょうし、もし噂されていることが事実なら、そういう告発を将来的にする人も何人か出てくるでしょう。それは、今現在ジャニーズ事務所に敵対感情がある人や、パワーゲームに負けた人がそれをやるというパターンだけではなく、ジャニーさんとの親子のような濃密な関係の中にある人たちの中から、ジャニーさんの死によってある種の呪縛から解放されて自分に起こったことの意味を考え出す人がきっと出てくるであろうということでもあります。それはきっと複雑な感情に裏打ちされたものになるでしょうね。


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