小山田圭吾インタビュー:ロマン優光連載195

ロマン優光のさよなら、くまさん

連載第195回 小山田圭吾インタビュー

 二十数年前に『ロッキンオン・ジャパン』『クイック・ジャパン』という2誌に掲載された、いじめ加害者としての体験を露悪的に面白おかしく語る記事の存在が炎上し、オリンピック開会式の音楽担当を辞任することになった小山田圭吾氏。辞任後、当時の記事のことについて初めて語ったインタビューが『週刊文春』9月23日号に掲載された。また、くだんの小山田氏がゲストとして登場した『クイック・ジャパン』誌の連載記事「いじめ紀行」で当時ライターをつとめた村上清氏の当該記事に関する説明と反省が綴られた文章も、同誌書店発売同日夜に『クイック・ジャパン』の刊行元であり、村上氏が現在社員をつとめる太田出版のHPに発表された。
 当時の彼自身の心境、現在ネット上で広まっていたり、一部媒体で報道されている内容については事実と違う部分があることの説明、オリンピックに関わる部分の状況、現在の心境や反省などが語られていてる。過去の記事の発言の説明部分に関しては、一部の90年代中期から後期にかけての「サブカル」について詳しいような人たちが推測してたことが本人の口から語られているようなものであった。小山田氏自身がやってないことがやっていたように書かれていたこと(『ロッキンオン・ジャパン』誌)。アイドル的存在であった立場から脱却するためにアンダーグラウンド的な方面にキャラクターを変えたくて、きわどいことを語ったり、露悪的に語ったこと。そういったことが語られている。
 『ロッキンオン・ジャパン』という雑誌はインタビュー記事の掲載前の本人チェックがなく、発言意図が歪んだ形で掲載されたり、本人が語ってないことが掲載されたりするということが起こっている雑誌であることは度々取り沙汰され、問題にもされてきた雑誌だ。インタビュアーが発言の意図を理解していなかったり、適当に発言をまとめて事実関係がおかしくなったり、意図的に内容を歪めたとしても、それを指摘して訂正させることができないのである。筆者も一度バンドでインタビューを受けたことがあるが、その時の記事の内容も本当にひどく、そもそもインタビューの段階で相手が全然こちらの話を理解していないひどいインタビューだった。そういう雑誌であるから、小山田氏の発言も割り引いて考える必要があると考えている人もいたわけだ。その後に行われた『クイック・ジャパン』の記事でのインタビュー部分との内容の食い違いも多い。『クイック・ジャパン』のインタビューでは、明確に他人のやったこととして語られていていることが、本人がやっていたかのような発言になっている。
 また会話の常として、面白くするために、つい話を盛ってしまうということはありがちなことで、『クイック・ジャパン』での発言の露悪的な部分(当時サブカル方面での一大潮流であった鬼畜系・悪趣味系の影響が大きいであろうことは、当時の小山田氏が根本敬氏の影響をはじめ、そういった方面への傾倒をアピールしていたことから、容易に推測できる。)も、キャラ作りのためや、その場にいる人に対するサービス精神から盛っている部分はそうとうあるであろう。ミュージシャンのインタビューなんてそんなものだ。このきわどいこと、露悪的に語ることについては、小山田氏の場合はキャラ作りの方向性やサービスの内容が結果的に失敗してしまったわけだが。
 そういった推測を裏付けるかのような説明を本人の口からしているのが文春のインタビューであった。
 多くの人(一部媒体にすら)が『ロッキンオン・ジャパン』『クイック・ジャパン』の記事の一部を切り取って構成したblogのエントリーを参考にしているのだが、小山田氏が今回説明した事実関係についての誤解の多くは、『クイック・ジャパン』の記事を原文でちゃんと読めば生じるはずがないものではある。その記事内で説明されていないことで今回改めて発言されたのは一ヶ所くらいではないか。『ロッキンオン・ジャパン』の記事から生じた誤解を訂正したい意図もあって『クイック・ジャパン』の取材を受けた部分があるという趣旨を小山田氏は今回の文春インタビューで発言している。実際に原文で両者を読み比べれば、『ロッキンオン・ジャパン』での発言は派手だがリアリティに乏しく、『クイック・ジャパン』での記事の方で語られている事実関係の方が信憑性が高いと思われる。
 文春のこの記事に対して、『AERA』や東京スポーツは小山田氏がいじめに関与したこと自体を否定したかのように読み取れるような見出しを付けて、批判的なトーンで紹介している。これはさすがに悪質な誘導ではないだろうか。文春の記事の逆を張ったのかもしれないが、筋が悪すぎる。ネット上で自分のやってないことがやったことにされていると主張している人物に関する記事に対して、彼がやってもないことをやっているかのようにミスリードする見出しをつけた記事を被せていくなんて、さすがにどうかしている。『AERA』に関しては信用を失いかねない見出しだと思うし、東スポだからといって何でもやっていいわけではないだろう。


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