能年玲奈は第二の上野樹里!?

 演技が下手な役者が多いジャニーズのなかで、数少ない演技派とされているのが草彅剛だ。実際、主演ドラマは多く、ドラマアカデミー賞主演男優賞、日本放送映画藝術大賞放送部門最優秀主演男優賞、ムービープラス・アワード2012映画ファン賞男優賞1位など、輝かしい受賞歴を誇っている。


 同じジャニーズの山P相葉雅紀と比べたらまともな方だろう。しかし、各賞で「最優秀」に選ばれるほどのものだろうか? 舌足らずで滑舌が悪いため、ヤクザ役で啖呵を切っても迫力が出ず、表情も豊かではない。香取慎吾と同様に口数が少ないクールな役どころをもらって、はじめて「抑え目の演技がいい」と評価される程度に思える。その年にドラマや映画に出演した本格派俳優を押しのけてトップに立つほどの評価を受けるのは、少々釈然としない。
「その手のアワードは、純粋に演技力だけで与えられるものではありません。やはり、大きいのは知名度や注目度。
各賞を存続させていくためには、世間の注目を集めなければいけない。演技が下手に思えるアイドル俳優にも賞が与えられるのは、そういった事情もあるんです」(業界関係者)

 佇まいや雰囲気で巧く見せてしまう俳優もいる。例えばARATA。もともとはファッションモデルだ。雑誌やショーの第一線で活躍していただけあって、画面のなかで存在感を見せる才能はすばらしい。そこら辺のアイドルや若手俳優で太刀打ちできるものではない。


 だけどその佇まいのカッコよさに騙されて、つい過剰に評価してしまいがち。実際には、能面的表情ゆえ、限られた役しか演じられない大根役者そのものだ。伊勢谷友介も同じ類いだろう。ファッションモデル出の俳優は、雰囲気にごまかされないように。

 女性陣で、雰囲気で巧く見せていると言えば吉高由里子だ。映画『蛇にピアス』でヌードを披露したように、度胸は満点。

それだけに、ちょっとキレた役などをやらせればおもしろく演じてみせる。
 ただ、逆にごく普通の女の子を演じさせると「普通」以上のものはまったく出てこないし、『ガリレオ』の岸谷美砂のようなちょっぴり主張の強い女性の役を与えると、“ちょっぴり”では済まず過剰に主張を出してくる。極端すぎるのだ。上野樹里も似たようなタイプで、今や『のだめカンタービレ』の野田恵以上のハマり役を見つめられるのか。

 上野と同じ道を歩まないか少し心配なのが、朝ドラあまちゃん』で大ブレイク中の能年玲奈。彼女も、もともとの演技力は相当につたない。

それが天野アキの役柄と見事にマッチ。ドラマのヒットと相まって、さも「女優・能年玲奈が天野アキを見事に演じあげた」と実力以上の高評価を得てしまった。
 しかしあまりにも、天野アキ=能年玲奈のイメージが強く浸透してしまったため、CMや雑誌グラビアなど最近の仕事は、「ちょっぴりおバカなアキちゃん風」なものが多い。『のだめ』の呪縛に苦しんだ上野樹里のようにならないために、できるだけ早く「天野アキ」を脱ぎ捨てることがカギとなるだろう。
 実力以上に評価されているといえば、なぜか常に大物女優的なスタンスの藤原紀香がよく分からない。なぜなら彼女には代表作と呼べるようなヒットドラマ・映画がひとつもないからだ。

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(文・編集部)

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