>>>前編より

剛力彩芽の女ウケの悪さは致命的

 香里奈がこれほど連ドラに起用されまくるのもよく分からない。顔つきは確かにキレイだし、プロポーションもモデル出身だけあって悪くない。

ただ、それらのビジュアルが強すぎて、実はピタリと演じられる役の幅がかなり狭いのだ。
 そしてなによりも演技が一本調子すぎる。「女キムタク」と呼んでいいほど、どんな役柄を演じてもハスッパで気が強そうな「香里奈」になってしまう。それが役にハマっていればいいのだが、どれもしっくりこないのは問題。彼女の演技と強すぎる存在感で、ドラマの世界観がぶち壊しになっている感さえする。

 本格派ドラマをぶち壊しにしたと言えば、『半沢直樹』の壇蜜だ。

悪徳社長の愛人という役どころを演じた。喋らせなければ見事なハマリ役だったが、ひとたび口を開くと耳元で響く蚊の羽音のような声に、学芸会を1ミリたりとも上回らない演技。堺雅人宇梶剛士の重厚な芝居を台無しにしてしまった。
 壇蜜の場合、本人に「女」として生きていく気もなさそうだから、旬なキャスティングとして、ある程度は目をつぶるべきかもしれない。しかしAKB48卒業後に「女優転身」を高らかに宣言した前田敦子には、もう少しがんばってもらわないと困る。鼻にかかった聞き取りづらい声、棒読みゼリフ、表情の乏しさ、不自然な仕草と、まさに「ザ・大根」。

 大きな声を出す場面では、ついキンタロー。を思い浮かべてしまうのも、彼女にとってはマイナス材料だ。この芝居に、最優秀新人賞やら主演女優賞やらを与えるのだから、やはり、ドラマ・映画業界の賞レースなどアテになったものじゃない。もし本気で女優をやるならば、同じくAKB卒業組で「滑舌の悪さはグループ随一」と言われてきた篠田麻里子とともに、“AKBの七光り”が輝いているうちに基礎的な技術を固めておきたいところだ。

 明石家さんまの娘・IMALUや、石橋貴明の娘・穂のかなども含め、基礎も学ばないまま七光りで女優をはじめてしまうと、本人だけでなくバックのグループや親のイメージダウンにも繋がりかねないので要注意。


 今も昔も、ドラマのヒットには「女性人気」が必須。そんな女性からの評価がイマイチなのが佐々木希桐谷美玲。もともとこの手の男ウケしそうなタイプは、女性からの反発を受けがちだが、演技力のなさも「見ていてイライラする」と不評に拍車をかけている。
 特に佐々木は、茶の間の女性だけでなく、共演女性からも「ひとりだけ下手すぎて現場の雰囲気が崩れる」などの声が上がっているとか。

 剛力彩芽も女性層からのウケが悪い。剛力の場合、佐々木や桐谷に対するジェラシー混じりの反発と違い、「なんでこんな子が、ここまでゴリ押しされてるの?」というものが中心。

ゴリ押しと揶揄されるだけあって、2011年辺りからドラマや映画への出演が急増。だが、ヒット作には恵まれず、「新・低視聴率女王」の呼び名も。台本を覚えて読むだけの拙い演技を見かねたスタッフが読書を勧めても「台本だけで充分です」と断り、共演したベテラン女優が「本格的なお芝居の勉強をしたら伸びるわよ」と遠回しに大根ぶりを指摘しても、あっけらかんと「大丈夫です」と言い放ったとか。ここまで自らの実力不足を省みないと、「未来の大物女優か?」と期待すら抱いてしまう。
 表現者たる女優・俳優が、教科書通りに演じてもおもしろくはない。「大根」と言われようが自分を貫き、それでも10年後、20年後まで生き残っていたら、それこそ本物だ!

(文・編集部)

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