平成をともに歩んできた「相棒」を振り返る――亀和田武「テレビ健康診断」

平成をともに歩んできた「相棒」を振り返る――亀和田武「テレビ健康診断」

 平成最後の冬ドラマを制したのは、やはり『相棒』だった。全話平均の数字は断然トップだ。


 最終話では遺伝子工学の世界的な権威、慶明大の秋川教授が殺害される。教授は鳥インフルエンザの研究者だ。現場には極端な反科学主義団体「楽園の扉」のバッジがあった。


 誰もがオウム事件の現場に残されていたプルシャと呼ばれる教団バッジを連想したのではないか。


 准教授の八木橋は、秋川教授が鳥インフルの遺伝子をゲノム編集して、毒性の高いウイルスを作ったと特命の二人に明かす。高い感染力を持ち、致死率は一〇〇%。世界破滅の危機だ。


 視聴者はここでもまた地下鉄サリン事件を嫌でも想起する。最終話の放映日は三月二十日。二十四年前のこの日にサリン事件が起きた。制作側は意図して放映日に選んだはずだ。


 科学を敵視する「楽園の扉」の代表、阿藤は致死性の高い新型ウイルスを入手し、団体施設から消えた。


 捜査線上に成瀬真一郎と水原美波と名乗る若い男女が浮上する。杉下右京(水谷豊)はその名に覚えがあった。鷺宮(さぎのみや)栄一が二十年前に発表した、生物兵器により世界が滅亡する小説『沈む天体』の主人公だ。


 鷺宮と阿藤は、以前にIT企業を立ち上げた盟友だった。阿藤の娘がネット被害で自殺し、二人は科学を否定して自然と共生する団体を作る。暴力路線もとる「楽園の扉」を阿藤は創設し、鷺宮は自給自足のコンミューンを山奥に作る。美波と真一郎は外界から隔絶された集落で育った。


あわせて読みたい

文春オンラインの記事をもっと見る 2019年4月9日の芸能総合記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

新着トピックス

芸能総合ニュースアクセスランキング

芸能総合ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

芸能の人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

話題の芸能人のゴシップや噂など最新芸能ゴシップをお届けします。俳優やタレントやアイドルグループなどの情報も充実。