歌の上手い人が気持ちよく歌っている姿を見ると、どぎつい下ネタを見せられている気分になる

 芸人・マキタスポーツさんと、「テレビブロス」でおよそ8年にわたって連載しているコラム(『 越境芸人 』で書籍化)の担当編集者・おぐらりゅうじさんの対談最終回です!(全5回の5回目/ #1 、 #2 、 #3 、 #4 が公開中)


◆ ◆ ◆


■「一億総表現者時代」もフェーズが変わってきた

おぐら 最近は「一億総表現者時代」もフェーズが変わってきたなと思っていて。インフルエンサーという言葉が広まったあたりから一気にビジネスの匂いが強くなったり、のほほんとした身辺雑記ですら“ブランディング”の一要素として組み込まれ、迂闊に作品のレビューを書けば炎上の対象にもなる。SNSに向き合うときの、緊張感の度合いが桁違いになったというか、もはや片手間ではできなくなってきました。


マキタ プロアマ問わず、好むと好まざるとにかかわらず、自分を表現せざるを得ない時代にはなった。勇気を出していっそやめてしまうっていう手もあるんだけど、それすら「私がTwitterに限界を感じた理由」とかって他人に見せびらかすでしょう。


歌の上手い人が気持ちよく歌っている姿を見ると、どぎつい下ネタを見せられている気分になる

おぐら 僕は「キラキラ退職エントリ」と呼んでいるんですけど、会社を辞めるタイミングで、入社の経緯にはじまり、その会社で関わったプロジェクトや成し遂げたこと、先輩や後輩へのメッセージなんかを綴った「退職のご報告」を投稿したりとか。謎に「俺のビジネス理論」を頻繁に更新する人とか。あとは、誰に聞かれたわけでもないのに、生まれや育ち、好きなものについて延々と書いた自己紹介記事のリンクを固定ツイートにしている人とか、もう有象無象ですよ。


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