役員報酬額ベスト10上位を独占のソフトバンク 国税からの厳しい視線

 東京国税局から約4000億円もの申告漏れを指摘されたソフトバンクグループ。問題となったのは、16年9月に約3兆3000億円で買収した英アーム・ホールディングス株を巡る節税スキームだ。


「ソフトバンクは昨年もタックスヘイブンを巡って約940億円の申告漏れを指摘された“前科”がある。アーム買収は、日本企業による海外企業の買収案件では当時過去最大だったこともあり、国税当局は以前から目を光らせていました」(国税関係者)


役員報酬額ベスト10上位を独占のソフトバンク 国税からの厳しい視線

 アーム株の一部をソフトバンク・ビジョン・ファンドに現物出資した際、取得価格と時価評価額の差にあたる約1兆4000億円を欠損金として計上したソフトバンク。昨年3月期の連結純利益(国際会計基準)は1兆円超だったにもかかわらず、国内では法人税を支払っていなかった。


「日本の税制では、欠損金が生じた場合は翌年度以降、10年間にわたって繰り越し、所得から差し引くことで税負担を軽減できます。ソフトバンクはこの制度を利用し、来年度以降の節税も狙っていたと見られる。結局昨年3月期に関しては、申告漏れの4000億円を除いても、計1兆5000億円を超える欠損金が残るため、追徴課税はありませんでした」(同前)


■役員報酬額ベスト10の上位を独占

 その一方で巨額の報酬を手にしているのが、ソフトバンクの役員たちだ。東京商工リサーチによると、18年度決算の役員報酬額では1位から4位までをソフトバンクグループの役員が独占。トップのロナルド・フィッシャー副会長の32億6600万円は、日産自動車のカルロス・ゴーン会長(当時)の訂正後の報酬28億6900万円(17年度)をも上回る。さらにマルセロ・クラウレCOOが18億200万円(2位)、宮内謙取締役が12億3000万円(3位)、サイモン・シガース取締役が10億9300万円(4位)と続く。ベスト10で見ても、ソフトバンクだけで6人がランクインした。


 そして報酬額こそ2億2900万円に留まるが、ソフトバンク株を2億株以上保有しており、年間約102億円もの配当を得ているのが孫正義会長兼社長だ。経営では節税策を駆使する傍ら、巨額報酬を得るソフトバンクの役員たち。その手法には、国税当局の厳しい視線が注がれている。


(森岡 英樹/週刊文春 2019年7月4日号)


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