まるで戦争「日本刀44本を押収」 殺人が起きても止まらない”野田醤油ストライキ”のすべて

 7月になるや従来会社は荷物の全部を丸三運送店に扱わせていたのが、突如丸本運送店にその大部を扱わせるようになった。原因は丸三従業員が組合に加入しているので、丸本を新設し、組合に入らない者に荷扱いをさせようとしたのである。この方法は先に新設した第十七工場にとっており、十七工場の工員は組合に入らないことを厳重な条件にして雇い入れているのである。丸三の組合員は荷物が扱えず、収入が激減したので交捗したが解決つかず、遂に野田支部が荷主である会社と交渉したが、会社は荷物を誰に扱わせようとこちらの自由であると突っ撥ねた。


■争議最大の問題は「工場の争奪」

 この問題が大争議の切っかけとなるのであるが、会社は充分用意を整えて臨んでいた。従来負け続けの会社がこの辺で一戦ものにしようとしていたのである。この時も総同盟の本部は抑えにかかったが、意気上っていた組合員は聞かず、交渉は遂に決裂状態となり、組合は9月15日の総会で遂に全面的ストライキの決行となった。


 この時組合の総勢は1430名、16の工場が参加していた。大正14年落成した第十七工場は工員数320名、他の16工場の約3分の1を生産する力を持つ近代的新鋭工場であるが、会社はこの工場には組合員を1名も入れなかった、一人一人組合に加入しないことを誓約させて雇っていたのである。従って今、争議に突入して、最大の問題はこの工場の争奪にあった。十七工場をこうしたのは会社にとっては外堀を埋めたものであり、組合にとっては致命的欠陥であった。当時ストを決行するに当って組合の幹部がこの事実をどの程度評価していたか問題である。


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