YMO“幻のメンバー”横尾忠則が語る「僕が細野さんにテクノ・ミュージックを紹介した日」

 コンピューターを駆使した斬新なサウンドで世界を沸かせて40年。YMOを追い続けた写真家・三浦憲治氏の作品集『 40 ymo 1979-2019 』が8月26日に発売された。同書からスペシャルカットを特別公開し、彼らをよく知る人物の言葉と共に輝き続ける3人の足跡を辿った。


 (取材・文=吉村栄一)


◆◆◆


 最初に細野晴臣さんと会ったのは1978年。いきなり訪ねてきたんだ。


 それからすぐに一緒にインドに行って、『コチンの月』というアルバムを作りました。


YMO“幻のメンバー”横尾忠則が語る「僕が細野さんにテクノ・ミュージックを紹介した日」

 このインド旅行中、僕が熱中していたジャーマン・ロックのテクノ・ミュージックを細野さんに紹介したんだけれど、それがYMO結成のヒントにもなったんだと思う。


 細野さんはそれで僕を音楽通だと思ったんでしょう。すぐにYMOに勧誘された。ぼくとしても乗り気で結成記者会見にも出る気でいたのだけど、締め切りに追われて出られなかった。それでもういいやと。そういえばあの締め切り、週刊文春の仕事だったのかもしれないね(笑)。 


 YMOでは、きっとジャケットや舞台セットを考える役になったのだろうけど、音楽バンドに音楽をやらないメンバーがいるというのは当時としては斬新な発想でしょ。


 しかも運命のいたずらで幻のメンバーになってしまったことで、いまもこうやって話題になる。存在しなかったことで逆に存在感が発揮される。これもまた斬新でおもしろい。


 YMOには入らなかったけれど、メンバーのみなさんとはいまも交流が続いてます。細野さんとはこれまで10回位対談して、そのうち本になりますけれど、対談と対談の間があくので、前回の内容を忘れていつも同じ話ばかり。同じ話がミニマルに繰り返される様はテクノですね。


 坂本さん、高橋さんにも、時々お目にかかりますが、まだ4人揃って会ったことがないので、4人で写真を撮ってもらいたいなあ。


撮影=三浦憲治


よこおただのり/1936年6月27日生まれ。兵庫県出身


(横尾 忠則/週刊文春 2019年8月29日号)


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