「ここまでの結果が出せたのも、啓太に出会ってくださった皆さんのおかげです。あの子には本当にお疲れ様と言いたい。近いうちに(新潟市の)実家に戻ってくると思うので、その時にはあの子が好きなサーモンの刺身を出してねぎらおうかなと思っています。大きなサクを買って刺身にするだけですけど(笑)。最近はサーモンが好きなんですよ。啓太は家でお酒を一切飲まないので、刺身とかご飯をたくさん食べています。お茶を飲みながらですね」

稲垣は母校・新潟工業高校の後輩たちを大事にしているという。
「戻ってきたら、新潟工業にも挨拶へ行くと思います。あの子のラグビーの原点ですから。『芝生や芝刈り機を寄付した』と啓太から聞きましたけど、値段が300万円ですか、そこまでは知らなかった。それだけ、母校への思いも強いんです。啓太の高校時代は土のグラウンドで、練習が終わるたびにすり傷を作って帰ってきていました。ひどくなければそのまま放置するので、傷だらけでね。だから、後輩にはそんな思いをしてラグビーをさせたくなかったんだと思います」
10月24日発売の「週刊文春」では稲垣のほか、田村優、リーチ・マイケル、福岡堅樹、具智元など日本代表メンバー8人の肉親や恩師が、涙なしには読めないとっておきの秘話を明かしている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年10月31日号)