三原山噴火口に次々飛び込む若者たち――加熱するメディア報道が導いた悲惨なブームとは

■解説:メディアに重い責任がある三原山の自殺騒動

 昨年2018年の日本の自殺者は20840人で9年連続の減少。37年ぶりに21000人を割った(厚生労働省調べ)。それでも、若い世代の自殺願望は根強く、それにつけ込んだとされる「座間9遺体事件」のような犯罪も起きている。しかし、いまから86年前、伊豆大島・三原山を舞台に長期間続いた自殺騒ぎは、当時の時代状況を勘案しても、異常としかいえない現象だった。概要は 本編 にコンパクトにまとめられている。


 この事件は、「35大事件」の中でも抜きんでてメディアに重い責任があるといえる。「ジャーナリズムの招きで三原山に死んだとでもいうほかない」(橋川文三「日本の百年7アジア解放の夢」)との指摘もあるほどだ。その視点から振り返ってみよう。


三原山噴火口に次々飛び込む若者たち――加熱するメディア報道が導いた悲惨なブームとは

■「ああまで反響のある事件になろうとは思いもかけなかった」

 この事件の報道では読売と時事新報(福沢諭吉創刊、1936年、東京日日新聞が吸収)の印象が強い。しかし、第1報はどうだったか。


「どういう経路でこの事件が世間に知れたかというと、こうである。東京汽船大島元村の扱い所(旅客船事務所?)の所長が、同性心中の一人が生き残って帰るらしいとの話を聞いた。すると島の新聞社長Y氏と東京朝日通信員のI氏とが第六感から駆けつけてみると、既に本人は警察署に保護されており、これをまた別に見た自動車運転手の一人が『この前にも二人で登って一人で帰ってきた』という話であった。


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2019年11月24日の社会記事

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