「これで女友だちと温泉に行ける」――乳がん経験者の「人工乳房」という選択肢

 人工乳房や乳房パッドを専門とした製造・販売と、人工乳房製作者「ブレスト・アーティスト」を養成するスクール運営を行っている、ブレストケア京都株式会社。乳がんで乳房を失ったり切除したりした人が、失った乳房の再生を求めて全国から訪れるといいます。代表の林かおりさんが、人工乳房に込める「思い」とは。


「これで女友だちと温泉に行ける」――乳がん経験者の「人工乳房」という選択肢


■自由に取り外しもできて、体にダメージを与えないんです

──「人工乳房」とは、どんなものですか。


林 人工乳房は、乳がんなどで乳房を失った方や、温存手術後のお身体の変形にお悩みの方が装着する、シリコン製の乳房です。


──「パッド」とは、どこが違うんですか?


林 パッドはブラジャーの中に入れて使うものなので、お風呂に入る時は外しますよね。でも、人工乳房はお肌に装着するものなので、装着したまま温泉にも入れるんです。パッドだとずれてしまうスポーツでも、人工乳房なら気にせず競技に集中できるというケースもあります。自由に取り外しもできて、体にダメージを与えずに乳房が再生できるので、再建手術ができない方でもお使いいただけます。


──人工乳房を装着すると、見た目にはわからなくなるんですか?


林 そうですね。本来その人が持っていたバストをリアルに再生するので、不自然さはなくなります。


 乳房の摘出って、「胸を取る」だけではすまないんですよ。胸のまわりの筋肉も取ったりするので、デコルテの大きく開いた洋服が着られなくなったり、子どもやお孫さんと一緒にお風呂に入れない、大好きだった温泉に行けなくなった、などさまざまな場面で我慢したりつらい思いをされている方が、たくさんいらっしゃいます。

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