将来の総裁候補として育成された「日銀のエース」はどんな人?

将来の総裁候補として育成された「日銀のエース」はどんな人?

 4月9日、黒田東彦(はるひこ)日銀総裁の2期目がスタートした。異例の2期目を支える副総裁には“日銀のエース”と目されてきた雨宮正佳氏(63)が、理事から就任。理事には内田真一名古屋支店長(55)が昇格した。


 雨宮、内田の両氏はそれぞれ企画担当理事、企画局長として異次元緩和やその強化に関わった政策参謀だ。


「日銀は約10年刻みで将来の総裁候補を育成する。雨宮、内田の両氏はその最右翼だ」(日銀関係者)


 雨宮氏は、1979年東大経済学部卒。「酒は飲まないのに、いつの間にか相手を籠絡している。物腰やわらかい“人たらし”」というのが日銀関係者の雨宮評だが、若い頃、家族の病気看病のために閑職への異動を願い出たこともある情の人でもある。


「永田町や霞が関の人脈は広い。為替が大きく動いた時に集まって市場を牽制する“三人衆”(森信親金融庁長官、浅川雅嗣財務官)の1人です」(同前)


 民主党政権末期の2012年、当時の白川方明総裁に嫌われ、上がりポストの大阪支店長に飛ばされた。だが、同年に政権交代し、安倍政権が誕生。左遷が結果的に幸いし、東京に返り咲いた運もある。


 一方、内田氏は、1986年東大法卒。企画局が長く、日銀史上最も長く企画課長を務め、40代で企画局長に抜擢された。FRB(米連邦準備制度理事会)への出向経験もあり、英語も堪能だ。


「エリート中のエリートで、何をやらせてもそつがなく、人あたりもいい。ただ、雨宮氏に比べ、政官界との人脈が少ないのが難点」(同前)


 今回の人事で、企画担当は一年先輩の前田栄治理事が務めることもあり、内田氏は国際担当理事として、海外の中央銀行との調整や2019年に日本が議長国を務めるG20の開催準備に当たる。黒田総裁の海外出張に同行するなど接点は増えそうだ。


 2人の命運を左右するのが、異次元緩和の出口戦略だ。マイナス金利など、黒田総裁の意向を政策に落とし込んできた「日銀官僚」が、一番難しいと言われる緩和からの撤退をどうプランニングするのか。うまく行かなければ、日銀関係者が夢と描く“雨宮総裁”は画餅と化す。日銀エリートたちの真価が問われる。


(森岡 英樹)


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