ヨーロッパでは女性の「結婚」に対する考え方が日本とは大きく異なります。

彼女たちと話していると、「何歳までに結婚しなければならない」というコチコチの固定概念が馬鹿らしく思えてくるから不思議です。

「結婚しない=不幸」ではないことを気づかせてくれる、生き方のヒントをご紹介します。

どうして日本人は「結婚」にこだわるの?

わたしが通うフランス語教室には、フランス人の講師をはじめ、イタリア人やアメリカ人などさまざまな国の女性たちが集います。女性が集まればおしゃべりに花が咲くのは万国共通。レッスンの合間、いつものようにとりとめのない話しをしていると話題は「恋愛」「結婚」の話に......。

年齢が近いという理由から、すっかり打ち解けたのは30代のイタリア人サラと日本人のアイコ。そして、フランス語講師のオデット。

38歳・アイコの目下の悩みは「結婚」。

40歳を前に、さまざまな不安があるようで......。

こんなに違う! 結婚の考え方

アイコ:「40歳までには絶対結婚したいの!」

サラ:「どうして40歳にこだわるの?」

アイコ:「だって、子どもを生むことを考えると40歳がリミットじゃない? 将来の不安もあるし、会社でも独身だと肩身が狭いのよね。親にも口うるさく言われるし」。

オデット:「女性の40歳なんてこれからじゃない。なぜ、周りの声を気にするの?」

サラ:「結婚なんて紙切れ1枚でつながっているだけ。

わたしはずっと恋人同士でいたいから結婚にはこだわらないわ」


3人の会話を聞いていると、個人を大切にする女性の考え方が見えてきます。自分が生きたいように生きる、結婚するもしないもそれは個人の自由。

その点、日本人は「○○歳までに結婚しなければならない」「独身でいると周囲がうるさい」など、周りの意見に振り回されているような気がします。

少数派ではあるものの、結婚をしない生き方が受け入れられつつある日本。でも、40代独身女性の風当たりが強いのは今も昔もあまり変化はないようです。

そんな日本の現状を話すと、サラは笑いながら、


「自分の人生をどう生きようが自由じゃない! 結婚したら将来が約束されるって、そんな保証どこにあるの?」


アイコが語った将来の不安は、ひとりで生きていくこと、金銭面だと言います。

「結婚=将来の安定」という意味合いが強い日本。彼女の気持ちもわかります。そこで驚きの発言したのが未入籍ではあるものの、同い年の男性と暮らしているオデット。


「結婚したって財産は個人のもの。わたしなんて、パートナーの給料の額も知らないわ」


フランスでは生活に必要なお金は共通口座で管理し、それ以外は個々で管理するのが一般的なのだとか。それは結婚をしていても同じこと。

妻が家計をすべて管理することが多い日本とでは、財産に対する考え方も異なるようです。

依存しない生き方が女を強くする

貿易会社でキャリアを積むサラと、フランス語教師のオデット。彼女たちに共通するのは、パートナーがいても自分の力で生きていくことが前提であるということ。

このような考え方が一般的であるヨーロッパでは、既婚、未婚を問わずキャリアップを目指す女性が多いといいます。

妻になっても母になっても個人は個人。たとえ独身を貫いてもそれは自分の人生。

だれにとやかく言われる筋合いはない! というわけです。いやはや、なんてたくましく、美しいのでしょう。

恋愛は最高のスパイス!

女性であることを心から楽しむ彼女たちは、恋愛にも積極的です。


サラ:「わたしだっておばあちゃんになってひとりでいるのは嫌よ。それを今から嘆くよりも、いくつになっても恋愛を楽しむ気持ちがあれば結婚なんてしてもしなくてもいいんじゃない?」

オデット:「恋愛を楽しむためにも、仕事や自分への投資って大切。一生女でいることがわたしのテーマかな」


フランスやイタリアでは「女性は40歳からがもっとも美しい」といわれています。

年齢を重ね、さまざまな経験をすることで醸しだされる美しさに、男性は惜しみない称賛を送ります。

結婚するもしないもそれはあなたの人生。生き方に責任を持つことが大切だということを教えてくれたサラとオデット。

経済的にも人間的にも「自立」する意識に少々かけていたアイコは、彼女たちのアドバイスを受け、結婚への意識が少し変わったみたい。


「生き方に自信を持つことができたなら、もしかすると結婚への焦りも消えるのもしれない。よし、絶対フランス語検定合格してみせる!」


わたしも負けていられません。


Tinxi / Shutterstock.com

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