今回は、「セックスレスを積極的に解消しているカップル」をご紹介しよう。

事例であげるのは、バツイチ同士の再婚カップル。

バツイチの再婚ということで、ちょっとだけ特殊ではあるけれど、レス解消のヒントが多いにつまった話を聞くことができた。

夫は大手企業の役職、妻も会社経営をしているバリバリのキャリアウーマン。ふたりとも再婚ということで、新しい家庭に子どもはいない。ふたりっきりの生活である。

この時点で、普通のアラフォーカップルとは異なり、環境が整い過ぎているという突っ込みどころはあるけれど、しかし同じ条件でもセックスレスになるカップルはいるだろう。

しかし一度目の結婚でともに「セックスレス」で悩んでいたこともあり、新生活では「そうならないようにお互い努力をする」ことを決めたのだという。

たとえば、入浴。

「お風呂は、必ずふたりで入るの。そこで色っぽいことをする......というわけではなく、普通に入るだけなんだけどね。ふたり同時に入ることで、光熱費の節約にもなるし、また裸のコミュニケーションを日常的にとることで、セックスあるなしにかかわらずお互いの裸体を毎日見ることになるでしょ。これって意外に大事だって気づいたの」と彼女。

「前の結婚でセックスレスになったとき、段々とお互いの裸を見るのが恥ずかしい状態になっちゃってね。

脱衣所で服を脱いでいるときに、前夫が突然入ってきたら『ちょっとー、突然入ってこないでよ!』なんてバスタオルで体を隠しては怒ったりしてたの。前の家庭ではすっかり"単なる家族"になっちゃって、兄弟や父親に裸を見られたような気分になってたのね」

これではいけないと学習した彼女は、新生活ではまず「必ず毎日、裸のコミュニケーションをとる」ことを目標にしたのだという。
こうすることで、「わたしたちは、単なる家族ではなく、肌を重ね合うカップルなのだ」と認識できるようになるのだとか。

ほかにも気をつけていることがあるという。
「週に3回はセックスすること」

週3回! 思わず声を出してしまった。いやいや、これがなかなかできないから、アラフォーたちはセックスレスに悩んでいるわけで......。

「ダメよ。もうね、強制的にでも週3回は"その日"を決めなくちゃ。クセをつけないと、放っておけば本当にどんな仲良しカップルもレスになるもの。これは経験上、絶対にそう!」と彼女は力説する。

「付き合うときから、また再婚する前からこれはお互いに決めていたの。ふたりとも、以前の家庭で"単なる家族"になってセックスレスになっていく虚しさを嫌というほど体験したから、今回はそうならないようにしようねって。

もちろん、お互い仕事が忙しいから、まったく出来ない週もあるわよ。でも心持ちは"週3回"。寝る前に歯磨きをするように、習慣化させるのよ」

自然にそんな雰囲気になれるように、彼女はナイトウエアにもこだわっていて、セクシーなキャミソールなどで就寝につくのだという。
「だって、ヨレヨレのTシャツに短パン姿の女性に、男はムラムラッとはこないでしょう」と彼女は笑う。

努力。この二文字がくっきりと彼女の背後に浮かび上がる。

ここまでしないと、レスはなかなか解消できないのか......。
しかしこのカップル、本当に周囲が羨むほどの仲良しで、とくに女性は再婚してから、輝きがさらに増して美しくなった。まさに仕事もプライベートも充実している女盛りの輝きなのである。

「わたしね、いかにも『男性に長年、触れられていません』という女性のオーラが大嫌いなの。なんというかパサパサと乾いている感じがして。
そんな人たちから『夫、彼氏はエリートで』とか『この前、海外旅行に行ってね』とかどんなに幸せアピールされたって、全然羨ましくない。

『あ、そう。でも抱かれていないのよね』と思っちゃう。
どこかでセックスレスによる潤いのなさがにじみ出ていて、それをカバーするために幸せアピールしているようにも見えて、物悲しくなっちゃうのよね。あんな風にはなりたくないって思う」

確かに、彼女は夫がいながらほかの男性にもたびたび声をかけられるほどの潤い感がある。

彼女のこの話を聞いて、さっそく、わたしはセクシーナイトウエアを3着新調してしまった。ところが、このセクシーナイトウエアにも賛否両論があることが、のちにわかったのだ。

次回はその「セクシーナイトウエア問題」についてご紹介したいと思う。まったく......どうすりゃいいの、アラフォーの艶の夜って。


イラスト/藤田佳奈美

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