
「キャリコネ」は働きやすい職場を増やすため、現役従業員やOBOGが企業の年収・評判を書き込める口コミデータベースと内部通報窓口を設置している。ここ最近増えているのが「社会福祉関係団体」のずさんな経営実態に関する告発だ。給付金の不正受給や経費の私的流用、違法労働の強要やハラスメントなど悪質なものも少なくない。
そこで編集部は社外のジャーナリストと協力し、寄せられた内部通報の追加取材を行い、信憑性が高いとみなしたケースを数回に分けて公開することにした。従業員側の一方的な声ではあるが、似通った内容もかなりあり、業界の構造的な問題が垣間見られる。(特別取材班)
■市の遅い対応を問題視し、県が立入検査を実施
千葉県の某市で、障がい者福祉施設を運営する特定非営利活動法人。最近までここに勤務していた会田さん(仮名)の話を聞くと、理事長のA氏(女性)には経営者としての資質に大きな問題があると思えてならない。
会田さんは、この法人には数え切れないほどの問題があるとしながら、特に許しがたい問題について話してくれた。最初に明かされたのは「利用者に対するひどいセクハラ」だ。
理事長A氏は、夫を事務員として雇用していたが、この夫が利用者である障がい者の女性たちに、胸を触ったりキスをしたりするなどの性的虐待を繰り返していたという。
利用者やその親から、会田さんが直接相談を受けたため発覚。実態をA氏に訴えたところ、「単に可愛がっているんでしょ、という程度の認識」で、利用者に謝罪したり夫に注意したりするなどの対策はまったく取られなかった。