今後は、ますます草食化の傾向が続いていくのだろうか。改善のために必要と思われる政策について聞くと、「前提として、恋愛や交際、結婚などは完全に個人の問題で、第三者から何か言われる問題でもなければ、政府が介入するような問題ではないと考えています」と断った上で、
「恋愛や交際をしない、結婚をしない、というのを単に『個人の嗜好の問題』として考えてしまうと、『本当は交際や結婚をしたいのにできない』という人たちの存在が見えなくなります」
と危機感をあらわにする。坂元さんは「なぜ人が恋愛や結婚できないのか」という構造的な問題に目が行かなくなると、構造的な障壁を取り除くと解決するはずの問題が解決しなくなる、とした。
その上で、構造的な問題について「若い世代の低い年収や不安定な雇用形態(非正規雇用)が該当すると思います」と指摘する。
「異性と交際をしたいと感じることはある意味で自然な感情で、本来的にはそれは『贅沢なこと』ではないと思います。他方、現代社会が、お金がないと恋愛できない社会であるなら、それはやはり問題であり、政策としては、若い人の収入の上昇、安定した雇用の提供などが必要となると思います」
と持論を述べた上で「仮に、若い人たちの置かれている環境がこのままであるなら(低い年収、不安定な雇用)、草食化の傾向は今後も続くのではと思います」と推測している。
坂元さんは、今回の分析結果について
「何よりもこれまで、『草食化は若い人の特性・娯楽の多様化』で片付けられていた部分があると思うのですが、実際には、交際相手の有無や異性との交際の興味に関しては、収入や雇用形態と明確に相関がありました。これは単に個人の嗜好の問題だけではなく、恋愛・交際をしたいけれど、(収入や雇用状況を理由に)諦めている人が一定程度いることが明らかになったことの意義は大きいと考えています」
とコメントした。
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