「道徳の教科化」が若者たちに無力感をもたらす 『教育は何を評価してきたのか』 が示す危機感

「道徳の教科化」が若者たちに無力感をもたらす 『教育は何を評価してきたのか』 が示す危機感
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小学校では2018年から、中学校では2019年から「特別の教科」となり、「子どもに偏った価値観を植え付ける」などの懸念で物議を醸した「道徳」。現在も、ツイッター上では教科書の内容や評価の付け方に、しばしば疑問の声が上がっている。


今年4月、あるツイッターユーザーが小学校の道徳教科書を示し「おかあさんはりょうりじょうず」といった言葉でジェンダーバイアスを植え付けることに疑問を呈していた。これを教育社会学者の本田由紀氏が引用リツイートし、



「これに関連して、拙著『教育は何を評価してきたのか』では、「道徳の授業が好き」な中学生ほど性別役割分業意識が強いという分析結果を示しています。因果でなく相関ですが」


というコメントを寄せていた。


道徳が好きな中学生ほど「父は外で働き、母は家庭で家事をする」といった価値観が強いのはなぜだろう。道徳教育が子どもに与えた影響に興味を持ち、『教育は何を評価してきたのか』 (本田由紀/岩波新書/2020年3月19日発行)を手に取った。(文:篠原みつき)


■「垂直的序列化」と「水平的画一化」が日本人を生きづらくする


人々の一般的なスキルは国際比較において高い水準にあるにも関わらず、賃金がそれに伴っていない日本。若者の自己肯定感も他国に比べて低いという。本書は、こうした日本の低迷や閉塞感の原因は、「垂直的序列化」と、「水平的画一化」が強い教育の構造にあるとして、戦前から現在に至るまでの教育システムの変遷を、膨大な資料をもとに分析。人を評価する際に当たり前に使われてきた「能力」「資質」「態度」という言葉に疑問を突きつけ、日本の教育が抱える問題点をあぶり出している。


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