京都大学、学生総合支援センターカウンセリングルームのHPに掲載されている留年に関する学生へのメッセージが「素晴らしい」と話題だ。


一般的に留年と聞くとネガティブなイメージがつきまとうものだが、同大学は留年や中退について「人生において多くの人が経験するごく普通の出来事です」と前向きな内容を掲載。

10月17日ごろから話題になり、この記事は約1600件のブックマークがつき、


「煮詰まった時にこういうもっと気楽にしろよ、とアドバイスくれる人ってほんと貴重だと思う。不安のどん底にいる人に優しい世界であってほしい 」


など賞賛の書き込みで溢れている。


■「単に個人の失敗としてのみ捉えられるべきものではない」



冒頭では、4年制学部を4年で卒業するのは、入学者のおおよそ8割弱であることを紹介。留年も含めて卒業できる人は、入学者のおおよそ9割だという。その上で、


「留年や退学は、単に個人の失敗としてのみ捉えられるべきものではないということです」


としたほか、「現在の日本の社会において大学というシステムは、一定数の留年や退学を生み出すようにできている」と書いている。


留年は、大学の入試のあり方から始まり、入学後のカリキュラムやキャリア教育の体制、さらには企業の採用のあり方まで数多くの要因が絡まっている。

「そうした理解に立ったうえで留年に取り組み、進路選択をしていきましょう」、と学生を励ました。


京大は、「留年を繰り返させる行動や考え方のパターン」として以下の6つの項目を紹介。


(1)留年を家族や友人に隠そうとする
(2)一挙に挽回しようとする
(3)日々の楽しみを自分に与えない
(4)卒業しなければ生きていけないと考える
(5)時期尚早に「来年からがんばろう」と考える
(6)自分は他の学生より明確に劣っていると考える


留年がさらに留年を呼ぶという悪循環に陥らないよう注意を呼び掛けた。


■「スティーブ・ジョブズも、ビル・ゲイツも大学中退者」


留年すると就活で不利になると不安になっている人に対しては、「企業の採用方針の狭量さゆえに、現在のところそういう現実があることは残念ながら否定できません」と語る。しかし、「中退したら人生が終わりだとか、破滅だとかいうわけでは決してない」とする。


「あのスティーブ・ジョブズも、ビル・ゲイツも大学を中退しています。

Facebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグ、ソフトバンクの孫正義もそうです。タモリ、秋元康、堺雅人などなど、大学を中退して社会で活躍している人はたくさんいます」


京大は難関校なので、当然、周囲は退学することを推奨しない。しかし、退学するか悩んでいる学生に対してこうアドバイスする。


「続けるという選択を支えている根拠の大きな部分が、やめられないという理由にあるのなら、一度、やめるという選択肢を落ち着いて現実的に考えてみてはどうでしょうか」


■「昔の自分に読ませてあげたい」という声が相次ぐ


仮にやめることを真剣に考えた結果、続けることになっても、その選択はより積極的で能動的なものになるという。


「みなさんの人生の時間は有限であり、貴重なものです。みなさんが有意義な決断をされることを願います。

(中略)人生の岐路において、絶対に失敗のない完璧な決断などありえません。迷って当たり前、たじろいで当たり前です。必要ならば一緒に考えていきましょう」


ネットでは、留年を経験した人から「ちょっとすばらしくて涙でそう」と感動する声が相次いでいた。


「昔の自分に読ませてあげたい。自分でなくても、当時の辛そうだった友人に教えてあげたい」
「とても丁寧な文章。問題なのは1年や2年留年することではなく、そこで人生が終わったかのような錯覚をしてしまうこと」


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