
有休取得率が世界一低いといわれる日本。横並び意識が強く、自分の意思で同僚が休暇を取得することを「迷惑」と感じるメンタリティが根本的な原因とされるが、そのような文化や慣習をすぐに変えることは難しい。
そんな中、ポート株式会社が運営するキャリアパークが「会社に有給休暇廃止を望む労働者が増えてきている」という驚きの記事を掲載している。現状の有休制度は心身にストレスを与えているので、廃止によって「労働者の心の負担を和らげる」というのだ。
■無給の休暇なら「周りから受けるストレスも随分減るはず」
政府が掲げる「有休消化率7割」の目標に逆行する内容だが、なぜ有休取得が労働者の「心の負担」となっているのか。記事は労働者が「休みを取る暇」がないほど忙しいこと、上司に休みを申請すると「嫌な顔をされる」こと、さらに自分が休むと同僚の負担が増えるので、
「迷惑がかかってしまうと謝りながら休暇を取る」
ことの3つを理由にあげている。労働者のリフレッシュを図るための有休制度が、かえって逆効果になっているという皮肉な実態だ。
そこで記事が提案するのが、有休を廃止して「通常の休暇」を増やす方法。通常とは「無給の」という意味のようだが、これなら休んでも上司や同僚から嫌な顔をされることもない。
「休んだらその分だけ会社からの給料が減るので、周りから受けるストレスも随分減るはず」
さらに記事は、真面目な労働者ほど有休を取りにくいので、「今のままでは休暇の公平性がない」とし、有休廃止は「労働者の声」とまで言っている。本来なら他人の休暇を妬む文化を変え、誰もが権利を行使しやすい世の中にした方がいいと思うのだが…。