「婚活」という言葉が一般化する前から、保護者が自分の子どもの結婚を心配するのはよくある光景だった。お見合い相手を紹介されたり、知人に相談したりと、子どもの行く末を案じるのは親心だろう。


しかし、こうした親心につけ込んだ結婚紹介サービス業者とトラブルになるケースが多発しているという。国民生活センターは10月19日、「結婚相手紹介サービスの、親への訪問や電話勧誘にご注意ください」との声明を発表し、注意を促した。


■最初は日本人を紹介すると言っていたのに途中からアジア系外国人を紹介



2017年9月30日までに同センターに寄せられた「親が関与する結婚相手紹介サービス」に関する今年度の相談件数は205件。2012年から減少傾向にあるが、このうち、「訪問販売・電話勧誘がきっかけとなった相談」の今年の割合は、現時点で52.2%と、既に昨年の46.4%を上回っている。


トラブルは、親が名義人となって子供に黙って契約してしまうものや、高額な解約料を請求されるものなどがある。親が契約する例では、クーリングオフ期間に解約されるのを防ぐため、子どもや周囲には契約を口止めされるケースもあるという。


40代の娘を持つ母親には、結婚相手紹介サービスに関する電話勧誘が数回かかってきた。断っても「娘が結婚しないのは親の責任だ」と責められ、一時は自宅まで勧誘に来られたそうだ。母親は、娘に結婚する気がないことを業者に伝えたが、それでも「娘に内緒で親が入会すればよい」などとしつこく勧誘されたという。


30代の男性は、父親が無断で契約した、有効期間1年・費用30万円の紹介サービスを事後承認した。海外で行う3泊4日の見合いプランに誘われ契約したものの、参加料が40万円弱と高額な上、成婚したら400万円も支払わなければならないという。「このまま押し切られるのではないかと不安になった。

これを機会に脱会したい」という相談事例だった。


男性のように、当初は日本人を相手とするサービスで契約しても、途中からアジア系外国人を紹介され、その相手と結婚を決心した時点で初めて国際結婚の成婚料を提示され、トラブルになるケースは多いという。


■親子で「十分なコミュニケーションが取れていないこともトラブルになる一因」


当初の約束通りの紹介がされないため解約を申し出たところ、18万円もの高額な解約料を求められるケースもあるが、こうしたケースは、業者と契約者の認識の齟齬が原因だという。


学習塾やエステなど、契約期間が長期、かつ契約金が高額なサービスは、クーリング・オフ期間経過後も解約が可能だ。その場合、解約までに受けたサービス対価の支払いや、損害賠償額の上限金額までは請求されれば支払う必要性が生じる。


このため、サービスの提供状況によっては多額の支払いが必要になる場合もあるが、消費者が提供されたと考えるサービスと、業者が提供したと主張するサービスで差が生まれることが多いそうだ。


また、子どもが結婚を希望しているかについて親子で「十分なコミュニケーションが取れていないこともトラブルになる一因」とも指摘している。そもそも「結婚相手紹介サービスは出会いの場を提供するサービスであり、必ず結婚させることを約束するものではありません」と念を押す。「必ず結婚できる」などと言う業者はよく検討するよう促している。



「過度な期待を抱くことはトラブルの原因となります。その点を認識した上で、子へ勧める等の判断をしてください」