全国のゆるキャラの頂点を決める「ゆるキャラグランプリ」が11月17~18日に開催され、志木市文化スポーツ振興公社(埼玉県)の公式キャラクター「カパル」が優勝した。昨年11位から大きな躍進だ。


カパルがゆるキャラグランプリの頂点を極めた要因について、志木市文化スポーツ振興公社の担当者は「全国のゆるキャラファンが応援してくれたおかげです」と述べた上で、



「カパルにはゆるキャラ友だちが多いので、彼らが応援してくれたのも大きいです。カパルも参加する、ふなっしーさん率いる『CHARAMEL』のバンドメンバーも応援してくれました」


と話す。それもあってかツイッターでは「#カパルとてっぺんに2018最期の挑戦」「#caramel」とハッシュタグを付けて投稿する人も少なくはなく、バンドファンにカパルに投票するよう呼びかける声もあった。


カパルは河童をモチーフにしており、2000年に志木市民会館パルシティ職員の卓上メモ用紙にて誕生。公式キャラに採用され、公社広報誌で活躍を期待されるも廃刊。約10年間、存在を忘れられていた。


2011年にゆるキャラブームが盛り上がり、市民会館のツイッター公式アカウントが「そういえばウチにもキャラがいるんだよ」という投稿から注目され、カパルは復活。今ではゆるキャラたちによるバンド「CHARAMEL」のベーシストとしても活動している。


■「ふなっしーさんとはSNS開始時期、3次元化時期が同じ」ブレイク前から懇意



CHARAMELは千葉県船橋市の「ふなっしー」がボーカル、北海道札幌市の「アックマ」がギター、青森県黒石市の「にゃんごすたー」がドラム、そしてカパルがベースを務めるバンドだ。同担当者は、カパルが楽器を弾くようになった経緯について、



「2012年の志木市民まつりでアックマ様をお呼びしました。エレキギターを弾く人気キャラだったので、それに合わせてカパルも『ベースなら3本指でもどうにかなるのでは』と弾くようになりました」


と話す。また同イベントには、ブレイク前のふなっしーも出演していた。



「ふなっしーさんとはSNS開始や3次元化の時期が同じ。当時、ふなっしーさんが『いろんなイベントに出たい』というので、チラシもポスターも刷り上がってしまったから告知の掲載はできないけど、それでもいいならおいでとお呼びしました。ふなっしーさんも『志木市民まつりが初めて出た公的イベント』と言ってくれているんです」


と振り返る。ふなっしーは、その後すぐにブレイクしてしまったが、2人の絆は深いようだ。2017年にふなっしーがバンド結成を計画するところ、カパルも手を挙げた。


今年7月、カパルがゆるキャラグランプリにエントリーしたことを明かした際も、ツイッターで「がんがれカパルー♪ 今年も応援するなっしー♪」と投稿していた。

他にもアックマらからもコメントが寄せられた。


■「組織票は正直『すごいな。羨ましいな』とも思ってしまいます」


優勝について同担当者は、



「まさか取れるとは思っていませんでした。喜びより驚きが大きい。市民会館の窓口に『おめでとう』と言いに来てくれる人もいました」


と話す。また同イベントでは、「組織票」があったとして事前のネット投票で上位3位にいたキャラが優勝を逃した。

これについては、



「組織票は正直『すごいな。羨ましいな』とも思ってしまいます。うちは小さい団体なので、うちにはできないことだなあと。他キャラとの交流も長いですし、仲間として心配しています。各自治体、ルールを解釈した上での行動だと思いますので、それに関するコメントはありません」


と語った。カパルは今後、11月24~25日に埼玉県羽生市で開かれる「世界キャラクターサミットin羽生」、12月2日に「志木市民まつり~河童だよ!全員集合!!~」に参加する。