現在「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」が絶賛放映中ですね。そのメインヒロインとして描かれている遠坂凛ですが、彼女は「stay night」の前日譚である「Fate/Zero」にも登場しています。
その当時から天才の頭角を現しており、正義感の強さも変わらずでした。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■Fate/Zero第10話「凛の冒険」

 アニメ第10話「凛の冒険」は、タイトルどおり凛が主役の回になっています。凛の通う小学校で児童が行方不明になる事件が多発しており、親友であるコトネにもその魔の手が伸びたため、凛が立ち上がります。子どもを攫っていたのは聖杯戦争でのキャスター陣営であり、恐怖に震えながらも奮闘する凛の姿はとてもかわいらしいです(私が凛と同世代くらいだとしても、そんなことはできないと思います)。


■父の歪みを知らずに育った幸せ

 凛の父親である遠坂時臣は典型的な「魔術師」であり、その価値観は普通の人間には到底理解できません。それゆえに時臣は間桐雁夜と幾度となく対立するのですが、凛は時臣の、“魔術師であるがゆえに歪んだ人間性”を知る前に死別した事が結果的に「救いだった」といわれています。もし知ることになれば凛は雁夜のように「魔術」そのものを嫌悪し反発するか、逆に優しい面を持たぬ冷酷な魔女になった事でしょう。

■7歳にして遠坂家当主へ

 聖杯戦争の最中に父・時臣は帰らぬ人となり、母・葵は精神を病んでしまうという過酷な運命を負うこととなった凛。最終回で時臣の告別式が行われる際、「アンタに頼ることなんか何もないわ!」と啖呵を切る場面もありますが、綺礼から時臣の形見としてアゾット剣を渡された時には静かに涙を流します。堪えながらも嗚咽するそのシーンは、どんなに言葉を並べてもまだ小学2年生という小さな女の子である凛の等身大の姿を見ることができます。


 stay nightでは「あかいあくま」と称されたり、「裏表がありそうだ」と警戒されることが多い凛。しかしそれは彼女の「自分が魔術師である」という誇りと責任感に起因するものであり、見ていけば凛自身は決して悪人ではないことがわかります。今後stay nightの中で彼女がどのように活躍していくのか、そしてその先に凛が魔術師として、「遠坂凛」としてどのように成長していくのか目が離せません。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:凛廻(キャラペディア公式ライター)

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