「多軌透」は『夏目友人帳』の登場人物で、妖怪への強い興味と関心を持った少女です。夏目が通う高校へ編入してきた時には他人との交友もありましたが、ほどなくして寡黙で人との関わりを避けるような生活を強いられるようになります。

 先祖が陰陽師をしていたことと、祖父が妖怪への強い関心を持っていたことに影響を受けて、多軌自身も祖父が残した陣を真似して書いた所、奇妙なものが陣を通過していくのを見て、これは妖怪なんだと認識するように。多軌はこの出来事をきっかけに、妖怪とのトラブルに巻き込まれることになりますが、「誰も巻き込みたくない」と孤独な戦いを強いられます。

 夏目との出会いによって多軌自身もかつての笑顔を取り戻し、それまで以上に解決に向けて乗り出していきます。今回は、そんなひたむきな想いを持つ「多軌透」の魅力に迫っていきたいと思います。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■孤独な戦いに挑む姿

 ある日、偶然にも陣を通った強力な妖怪を見てしまい、一年以内に捕まえなければ食い殺すという呪いを受けてしまいます。さらに、記憶を遡って最後に名前を呼んだ13人までを一緒に巻き添えにするというのです。このような状況でも、決して引かずに妖怪に挑む姿は、彼女の孤独と向き合う強さを感じます。そして、周りを巻き込まないために、今まで築いてきた人間関係を捨てなければならないことを考えると、彼女の芯の強さに心底感心させられます。