『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』は、週刊少年ジャンプで連載され、後にTVアニメや映画化もされた作品です。舞台はモンスターが闊歩し、騎士や魔法使いが当然のように存在する世界。
剣と魔法とで繰り広げられる、もう一つの「DRAGON QUEST」です。今回は、「アバンの使徒」の一人でもある「マァム」の魅力についてご紹介させて頂きます。

【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】

■腕っ節の強い僧侶戦士

 マァムはかつて勇者「アバン」と共に戦った、戦士「ロカ」と僧侶「レイラ」の間に生まれた子供です。年齢は16歳。
ピンクの髪に男勝りの強気な性格と、それを表すような意思の強そうな瞳が印象的。母親似でとびっきり美人な上に、かなりグラマラスな女の子、それがマァムなのです。初期は攻撃魔法を使えないマァムの為に、アバンが特別に作ってくれた魔弾銃(まだんガン)を装備し、自分に出来る力でパーティ補助に徹していました。

■コンプレックスを乗り越えて

 父親が戦士であった為か、マァムは攻撃魔法や強力な回復魔法の類を一切使えません。どんどん敵が強くなる中、わずかな魔力で戦うマァムは、仲間の為に自分に何が出来るのだろうかと悩みます。しかし、攻撃魔法が使えないからと嘆くのではなく、戦士であった父親から受け継いだ、自分のこの「バカ力」を活かそうとマァムは気付くのです。
攻撃魔法を使えないコンプレックスを、自分が持つ違う特性で補う。例え落ち込んでいても、こうして必ず立ち上がるのがマァムなのです。

■母性と慈愛

 作者も言っておられましたが、マァムの名前の語源は「MOM(母親)」です。更に作中において、彼女の象徴は「慈愛」であるともされています。その慈愛の心が、悲しみと復讐で目を濁らせていた「ヒュンケル」を救い、臆病なままではいたくはない「ポップ」をも奮い立たせました。無意識でしょうが、マァムは力が強いだけでなく、仲間たちに勇気を与える強さを持つ存在と言えるでしょう。


 また、マァムの周りには彼女に好意を寄せる男性が多いようにも思われます。ポップを筆頭に、武術の兄弟弟子「チウ」や、そんな素振りなど微塵も見せないヒュンケルさえ、マァムに関してはかなり感情的に動いてくれました。

 ヒュンケルやポップに対し、多大な影響を与えた「マァム」。実は、彼等からもたくさん影響を受け成長を促されたように思います。マァムの持つ母性や慈愛は、こうした仲間たちによってこれからも強く、より確かなものへと成長していくのでしょう。

【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】

★記者:高塔(キャラペディア公式ライター)