引退した鉄道車両を保存・展示するいすみ市の民間施設「ポッポの丘」に、北海道の特急ライラックとして活躍した車両1両が加わった。解体危機にあった車両を残そうと鉄道愛好家の保存会がクラウドファンディング(CF)で支援を集め、同施設の34両目として仲間入りを実現させた。
開園15周年も祝う催しでお披露目され、来園者を喜ばせた。
 781系ライラック保存会などによると、今回の車両は1980年製造で、ライラックの先頭車などに運用された。2007年に引退後は道内の幼稚園園庭で展示されていた。園舎移転で保存場所がなくなり、同会は今年1~3月のCFで移送や修復の費用を募り、約2025万円を集めた。
 車両は移送コスト削減のために切り分けられ、4月に到着。さびの進んだ前面部分の再塗装や前照灯整備などが行われ、今月2日の「ポッポの丘まつり」でお披露目を迎えた。ブルーシートが外され、前照灯を光らせたり警笛を鳴らしたりする姿を鉄道ファンらが見守った。
 今後は展示のための線路工事や車体溶接、車体下の台車設置などを進める予定。県内外7人による同会の共同会長、佐瀬賢太郎さん(28)=匝瑳市=は「北海道で活躍してきた車両をぜひ見てほしい」。車両は内部に座席が残り、将来的には、冷暖房を備える来園者用休憩スペースへの活用を見据える。
 この日は、施設の15周年も祝った。畜産業を営んでいた代表の村石愛二さん(72)が地域活性化を目的に手がけ、11年5月1日にいすみ鉄道車両など3両で開園した。
現在は施設側所有の18両と、ライラックを加えた各保存会所有の16両がある。
 村石さんは「皆さんのおかげでたくさんの車両が集まってきた。お客さんにも応援してもらい、貴重な古い車両を未来に向けて残していきたい」と感謝と意欲を示した。ポッポの丘は火・水・木曜定休(祝日除く)。営業日や入場料はホームページに掲載。
(橋本ひとみ)
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