ロバート・A・ハインライン著の長年愛される名作SF小説「夏への扉」が映画化。パソコンやインターネットが徐々に普及し始める1995年と、架空の近未来2025年を行き来する時間旅行を軸とした物語。『夏への扉 ーキミのいる未来へー』と改題された本作、主演を山崎賢人、ヒロインを清原果耶が務めています。

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©2021 映画「夏への扉」製作委員会
研究者としてロボット開発に没頭する宗一郎(演:山崎賢人)が、とある事件をきっかけに罠にはめられ30年後まで冷凍睡眠させられることに。2025年の東京では、共に育った義理の妹・璃子(演:清原果耶)が謎の死を遂げていることを知ってしまう。

璃子を救うため、再度1995年に戻ることを決意した宗一郎。璃子を救えるのか、無事に元の未来へ戻ることはできるのか?タイムリープものとは一味違う時間旅行もの。新しいSFの形に、新鮮なドキドキを味わえます。

この物語のキーパーソンともいえる存在は、主人公・宗一郎の愛猫であるピート。窓辺でくつろぎながら、ふと雪が降っているのをみとめるや否や、家中の扉を開けてまわれとせっつく習性のあるこの猫が、なんとも可愛いのです。

映画『夏への扉 ーキミのいる未来へー』レビュー:30年を駆け抜ける新感覚!時間旅行SFストーリー

©2021 映画「夏への扉」製作委員会
常に宗一郎のそばで彼の一挙一動を見守り、ピンチの際にはその身を呈して助けに入る存在。ピートの目線はたびたび私たち視聴者の目線と重なり、宗一郎の感情の揺れや璃子の悲しみに寄り添います。最初から最後まで、物語を通してピートは宗一郎や璃子の傍らにいてくれている。ピートがいるからこそ、私たちはより物語の世界へ没入できるのでしょう。

そして、この物語には”猫ではない”ピートの存在も。2025年まで冷凍睡眠させられた宗一郎が目覚めた先には、なんとヒューマノイドと呼ばれる精巧な人形ロボットがいたのです。

映画『夏への扉 ーキミのいる未来へー』レビュー:30年を駆け抜ける新感覚!時間旅行SFストーリー

©2021 映画「夏への扉」製作委員会
藤木直人演じるロボットのピートも、宗一郎のピンチを助けてくれる頼れる存在。このふたりの掛け合いが、なんともコミカルで面白いのも見どころのひとつ。

映画『夏への扉 ーキミのいる未来へー』レビュー:30年を駆け抜ける新感覚!時間旅行SFストーリー

©2021 映画「夏への扉」製作委員会
この『夏への扉 ーキミのいる未来へー』は、謎の死を遂げてしまった璃子を助けるために奔走する宗一郎の物語だ。それと同時に、ある大きな目的な成し遂げるためには、たったひとりの力では何もできない事実をあらためて教えてくれる物語でもある。

猫のピート、ロボットのピート、その他多くの人の手を借りて、宗一郎は動く。たったひとり、璃子を助けるためだけに。ふたりの目指す未来を、ぜひ映画館で見届けてほしい。

(文:北村有)

--{映画『夏への扉ーキミのいる未来へー』作品情報}--

映画『夏への扉ーキミのいる未来へー』作品情報

【ストーリー】
将来を期待される科学者の高倉宗一郎は、亡き養父である松下の会社で研究に没頭していた。早くに両親を亡くしずっと孤独だった宗一郎は、自分を慕ってくれる松下の娘・璃子と愛猫ピートを、家族のように大事に思っていた。しかし、研究の完成を目前に控えながら、宗一郎は罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまう。目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京、宗一郎は研究も財産も失い、璃子は謎の死を遂げていたー失って初めて、璃子が自分にとってかけがえのない存在だったと気づく宗一郎。人間にそっくりなロボットの力を借り、30年の間に起こったことを調べ始めた宗一郎は、ある物理学者にたどり着く。驚きの事実を知った宗一郎は、再び1995年へと時を超える。ただ、璃子を救うためにー

【予告編】


【基本情報】
出演:山﨑賢人/清原果耶/夏菜/眞島秀和/浜野謙太/田口トモロヲ/高梨 臨/原田泰造/藤木直人

監督:三木孝浩
脚本:菅野友恵

音楽:林ゆうき
主題歌:LiSA「サプライズ」(SACRA MUSIC)

原作:「夏への扉」ロバート・A・ハインライン(著)/福島正実(訳)(ハヤカワ文庫刊)

製作幹事:アニプレックス、東宝
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝、アニプレックス
©2021 映画「夏への扉」製作委員会