ヤマハ発動機グループ会社の年間約3000台のPCをリユースして販売

ヤマハ発動機のニュースレターは、同社の広報グループが関連会社やOBなども含めた幅広い活動について発信しています。今回ピックアップされたのは、ヤマハ発動機の特例子会社であるヤマハモーターMIRAIによるリユースPC事業です。

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ヤマハ発動機と一部の国内グループ会社で不要となったパソコンは、ヤマハモーターMIRAIで再生され、教育現場などでリユースされている

ヤマハ発動機と一部の国内グループ会社を合わせると、年間およそ3000台(2023年実績)ものPCが入替などにより不要になるそうです。

これらの端末は破棄されることなく、MIRAI社によって中古製品として再生され、主にICT(情報通信技術)教育の現場に向けて再販されています。なお、MIRAI社は関西電力の100%子会社であるポンデテック社からの委託を受けてPCを再生し、販売はポンデテック社が担っています。

MIRAI社では使用済パソコンの裏ぶたを開け、リユースのためにSSD(データを記録するストレージ)の換装作業を行っています。同社では2024年1月現在、総勢66名のうち障がいのある41名の社員が在籍し、同社オフィスの清掃や事務サポート、そしてPCリユース業務に従事しているそうです。

同社事業推進課の山村紀明さんは「2021年に始まったこの新しい取り組みも軌道に乗り、成長性のある事業として基盤ができつつあります。リユースPCの生産数も年を追うごとに増え続け、2024年は一気に5500台まで増える見込みです。

作業者のスキルアップや設備の充実によって、作業品質や生産効率も高まり、私たちが目指している会社と社員の自立という観点でも、重要な柱のひとつになっています」と手応えをつかんでいます。

ヤマハ発動機の子会社が手がけるリユースPC事業がもたらす地域貢献、仕事へのやりがい【ヤマハ発動機ニュースレター】
リユース事業では再生の工程を分業化し、障がい特性に応じて作業者を配置
リユース事業では再生の工程を分業化し、障がい特性に応じて作業者を配置

MIRAI社にとって、昨年、うれしい話題がありました。会社の所在地である静岡県磐田市からふるさと納税の返礼品として、同社で再生したリユースPCを採択したいという申し出があったそうです。

山村さんは、「ありがたいことですし、昨年末には市役所の皆さんから高額返礼品の中では、ダントツの申請数があるというお話を伺いました」。

返礼品を紹介するサイトには、生産者の声として、MIRAI社や取り組みについても紹介されていて、「もし、私たちの理念に共感し、応援してくださっている申請者がいるとすれば、本当にうれしく思います」と続けています。

使用済PCを中古製品として再生するには、データ消去やクリーニング、部品換装、OSのインストール、そして完成検査等、いくつものステップが必要。

各工程ごとに異なるスキルが求められ、また作業者ごとに得意、不得意もあります。MIRAI社ではそれらを分業にし、多様な障がい特性に合わせて適材適所に配置することで、社員がいきいきと働ける環境を整えているそうです。

ヤマハ発動機の子会社が手がけるリユースPC事業がもたらす地域貢献、仕事へのやりがい【ヤマハ発動機ニュースレター】
「目指しているのは、会社と社員の自立。PC再生事業は、その柱の一つにもなり得るもの」と話す山村さん
「目指しているのは、会社と社員の自立。PC再生事業は、その柱の一つにもなり得るもの」と話す山村さん

2025年には、「Windows 10」のサポート終了が予定されていて、これを機に端末の入替もさらに活発になることが予測されています。また、障がい者の法定雇用率の段階的な引き上げも計画されていることから、リユースPC事業の発展と障がい者雇用の相乗効果が期待されています。

ヤマハ発動機の広報担当者は、リユースPCは、生産数の増加という数字だけにとどまらない喜びをもたらしている事業だと実感したそうです。

多様な障がい特性を見極めた適材適所は、各社員の得意を活かせるため、仕事を通じ自己肯定感を高められる利点もあるはずです。また、ふるさと納税の返礼品という公共性の高い領域への商品採用は、地域貢献や仕事へのやりがいにつながっています。

(塚田勝弘)

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