マイナーチェンジした新型CR-Z最大のトピックは、ホンダハイブリッド車として国内初のリチウムイオン電池を採用したことです。
電気自動車などで採用例の多いリチウムイオン電池の特徴は充電密度の高さ。
このリチウムイオン電池、前期型のニッケル水素と同じ重量となっていますが、その体積は3%ほど小型化されています。それをリアのラゲッジ下に積んでいます。
PCU(パワーコントロールユニット)もリチウムイオン電池のすぐ上に配置。一次電流の流れるケーブル長を短くまとめることで送電ロスを抑える効果もあると考えます。
そして、リチウムイオン電池の採用によりハイブリッドシステムのモーターも新型となりました。電圧、容量に余裕を持たせた結果、モーターの出力も向上させることが出来、その最高出力は前期型の10kW(14PS)/1500rpmから15kW(20PS)/2000rpmに向上。
リチウムイオン電池の特性として起動電量の立ち上がりがよいことが上げられます。そこに出力を向上させたモーターを組み合わせたことにより動力性能に余裕が生まれ、巷では「ハイブリッドのBダッシュ」と評価されるPLUS SPORTSボタンが可能となったのです。
PLUS SPORTSボタンに限らず、ハイブリッドにおいて電池容量が増えたことは精神的な余裕となります。長い上り坂でも電池が切れにくいということで、いきなりクルマがもたつくといったことが起こり難くなるのです。
車体価格がほぼ一律10万円ほど上昇した今回のマイナーチェンジですが、このリチウムイオン電池の採用を考えるとむしろ値下げなのではないか、と筆者は考えるに至ります。
(北森涼介)
画像付き元記事はこちら:新型CR-Zはホンダハイブリッド初のリチウムイオン電池搭載【ホンダCR-Z特集】(http://clicccar.com/2012/10/12/201458)