歴代スカイラインの第3弾は「Vシリーズ」です。日産では、21世紀に向けたFRミドルセダンの「あるべき姿」を追求した結果、新たにフロントミッドシップのプラットフォームを開発。

日本ではスカイライン、アメリカではインフィニティG35としてデビューしました。特にアメリカでは、インフィニティ・ブランドの再構築に貢献しています。開発当初はスカイラインを意識していなかったそうですが、実は世界に通用するFRミドルセダンこそが、新生スカイラインのあるべき姿だったのです。

■11代目V35「フロントミッドシップのFMパッケージ」(2001~2006)

V35スカイラインは、V6をフロントミッド(FM)に置く「FMパッケージ」を採用。ハンドリングと居住性を高次元で両立し、FRミドルセダンとしての基本性能を大幅に向上させました。ただ歴代スカイラインとの連続性は薄く、「丸目テールじゃない・直6じゃない・2Lがない」等と論議を呼びました。

それで後期からは、丸目テールが復活しましたネ。アメリカでは、インフィニティG35として大ヒット。後にラグジュアリーな2ドアクーペも追加されました。

■12代目V36「セダン、クーペ、クロスオーバーの3兄弟」(2006~)

発表当時、開発責任者から「インフィニティG35が売れたから、V36スカイラインを造ることができた」「自分もデザイン責任者もマニュアルが好きで、スカイラインクーペに乗っている」と伺ったコトが、今も脳裏から離れませんデス。V36スカイラインは、横長ヘッドライトや丸目テールランプといったスカイラインらしさを踏襲。また内装も、ミドルセダンに相応しい質感を実現しました。

兄弟車では、2ドアクーペに加えて、スカイライン初のSUV「スカイラインクロスオーバー」も登場しました。

■V13代目V37「プレミアム・スカイライン」(2013~)

新型V37スカイラインは、インフィニティバッヂを付けたプレミアムセダンとしてデビューしました。特徴は「スカイラインスポーツ」を連想させる優雅なデザインと、走りと燃費を両立するV6・3.5LベースのHVを搭載していること。でももともとスカイラインは庶民に手が届く価格帯でしたから、高価格化は正直さみしいところ。ただ中国のモーターショーに出展された「直4・2Lのダウンサイジングターボ」が、日本で発売される噂もありますから、今後の展開にも大いに期待したいと思います。

新型V37スカイライン(インフィニティQ50)はとても魅力的な仕上がりですが、インフィニティ戦略や中国市場への進出、ベンツとの共同開発や日本のスカイラインブランドの継続など、背負っているモノが多過ぎるように感じられます。

もっとも、多くの期待を背負って立つのが「スカイラインの宿命」なのですネ、きっと! 是非とも、大きく羽ばたいて欲しいと思います。

(拓波幸としひろ)

画像付き元記事はこちら:新時代の日産FRミドルセダンのあるべき姿、スカイライン「Vシリーズ」(http://clicccar.com/2014/02/20/247028/)