さかなの名前のクルマ、「これしかなかったの?」が正直な感想。締めくくる前に再度検索、1台奇妙なのが見つかりました。
ナポレオンソロとAMTピラニア
本題のクルマですが、カスタマイジング名人がTVのために特製したリアエンジン車でした。AMT社(なんとアメリカのプラモデルのメーカー)は、限定市販する計画でしたが、 GMが空冷水平対向6気筒エンジン車、コルヴェアを生産中止したので、実現しませんでした。
GM2代目デザイン役員ビル・ミッチェルのコルベット・マンタレイを紹介しましたが、この名前を量産車に使ったのはドイツのGMオペルでした。「マンタ」としたのは、宿敵とする欧フォードのカプリにぶつけるため、簡潔な名前にしたのでしょう。1970年から1988年まで2.5代販売しました。.5の意味は第2代BのB2です。マンタは、アメリカン・クーペ縮小版のようなデザインです。
オペル・マンタ・初代A
1967—70年のオペル・デザイントップは、その後、第4代GMデザイン役員となるチャールズ・「チャック」・ジョーダンです。
4代目コルベットC4の デザインは、ミッチェル、ジョーダンが目をかけていたい逸材ジェリー・パーマーです。パーマーは、ジョーダンの4代目VP期にデザイン部ナンバーツーとなります。
右からC4チーフデザイナーでGMデザイン逸材でC4デザイナー、ジェリー・パーマー、チャック・ジョーダン4代目デザイン役員、カリフォルニアでスティングレイⅢコンセプトを指揮したジョン・シネーラ。
次の世代C5には、エピソードがあります。チャック・ジョーダンが定年引退したのは1992年でしたが、前年ロスアンジェルス北方サウザンドオークスにあったGM先進デザイン・センターに来ないかと誘われました。「スティングレイⅢ」なる実走コンセプトカーを見せてくれました。
スティングレイⅢ。
92年デトロイト・ショーでデビューしたコンセプトです。これぞチャック・ジョーダンが次期コルベットとして構想していた、やや小ぶり、ミドシップ的プロポーションの力作でした。通称 「カリフォルニアン・コルベット」は、カーボンファイバーボデイ、固定シート、前後調整ペダル、ステアリングホイールなど先進機構を搭載していました。チャックはV6を意図していましたが、「V8でなければコルベットではない」との意見大勢でスモールブロックV8に積み替えました。スティングレイⅢデザイン時のセンター長がポンティアック・ファイアーバードで有名なジョン・シネーラでした。フェラーリに迎えられるケン奥山もこのセンターに居たはずです。
カリフォルニア先進デザイン・センターでチャック・ジョーダンを囲み全員集合。
さて、1997年ジュネーヴショーでチャック・ジョーダンに再会しましたが、彼、開口一番、「C5は私のクルマじゃないよ。あんなに肥っていなかった。」
2009年、GMデザインはコルベット50周年を記念した“スティングレイ”・コンセプトカーを製作し、アメリカのモーターショー巡業をしました。この時は、「まあこんなものかな」といった程度の印象。
2009年コルベット50周年記念、「スティングレイ」・コンセプト。
しかし、2011年デトロイト・ショーで登場した“スティングレイ”・コンセプト・ロードスターを見て、やっぱりスティングレイ!と感嘆。
2011年コルベット・「スティングレイ」・コンセプトロードスター。
そして、最新C7は、“コルベット・スティングレイ”を名乗ります。
2015年、デトロイトで開催されたシボレー・ワークショップで7代勢揃い試乗イベント。
(山口 京一)
画像付き元記事はこちら:プラモデルメーカーが作った幻のガルウイング「AMTピラニア」【F2P Vol. 19】(http://clicccar.com/2016/09/08/398258/)