先代のC26セレナには設定がなかった「S-HYBRID+4WD」の組み合わせが、モデルチェンジした現行セレナに用意されました。その雪上での性能を試してみました。
テスト車のタイヤはスタッドレスタイヤ(ブリヂストン・ブリザックVRX)になっています。
4WDが必須、あるいは4WDがベターという地域にお住まいの場合、車種やパワートレーン、グレードなどが限られる場合が多く、日産セレナの「S-HYBRID+4WD」は待望といえる設定でしょう。
セレナ・ハイウェイスター4WDのJC08モード燃費は15.8km/Lで、2WDの17.2km/L(ハイウェイスター)には譲りますが、5ナンバーBOXミニバンでは貴重な存在。
なお、23.8km/Lを誇るトヨタ・エスクァイア/ヴォクシー/ノアのストロングハイブリッドはFFのみ。また、1.5L直噴ターボのみとなるホンダ・ステップワゴンには15.0~15.4km/Lの4WDが設定されています。
セレナ(S-ハイブリッド)4WDは機械式の4WD。
雪道では背の高さを感じさせない安定感のある走りが印象的で、全方位視界が良好という現行セレナの美点は、積雪や除雪で道路の幅が狭くなった場所でも高い安心感を享受できます。
今回は、氷上で試乗する機会はなく、圧雪路を中心とした一般道を走りましたが、多様なコーナーが続く山道でも安定した走りはもちろん、滑りやすい下り坂に遭遇しても難なくクリアしてしまいますから雪道のセオリーに徹していればヒヤリとすることはほとんどありません。
もちろん4WDとはいっても過信は禁物ですが、雪国での日常使いはもちろんのこと、大切な家族や仲間を乗せて積極的にウインタースポーツなども楽しみたい層にも魅力的な選択肢といえそうです。
(文/塚田勝弘・写真/小林和久)
画像付き元記事はこちら:ハイブリッド四駆は貴重な存在。