■スクーターからビッグバイクまで、よりどりみどりなタイのバイクたち

タイで開催された「バンコクモーターショー」の会場には、バラエティ豊かな二輪車が数多く出展されていました。日本では見ることのできないニューモデル、日本とはテイストの異なるカスタマイズモデルなどなど、タイならではのユニークなバイクをご紹介しましょう。

現地からレポートしてくれたのは、ミニバイクパーツメーカー「Gクラフト」の篠原大輔さん(通称しのP)です。

まずは、大胆にモディファイされたホンダCB1000Rをチェック。タイでもミニバイクだけでなく、大排気量のバイクに注目が集まりつつあるのが伺えます。

ゴールドのホイールが目を引きます。純正をペイントしただけとは思えない、迫力ものです。マフラーはショート気味なアクラポビッチをチョイス。


純正スイングアームを途中でカットしてロング化。サスペンションはオーリンズのTTXを装着しています。

ヤマハのブースでは日本では発売されていないヤマハのスクーター、QBIXを発見しました。灯火類はLED化されていて、スタイリッシュなフロントフェイスです。メーターもフルデジタル化されています。日本で販売されていたVOXの兄弟車種、という位置づけでしょうか。


こちらはカスタマイズモデルで、ホイールが大径かつスポークタイプのものに変更されています。日本では太足化(幅が太いホイール&タイヤに履き替えること)が流行ってますが、タイでは走破性のことも考慮して、大径化するのが主流なのです。

サスペンションは地元タイのYSS製です。

こちらはJDMライクなカスタムで、グリーンの大径モデルとは対象的に、太足になっています。

車体からはみ出たホイールが圧巻ですが、オイルクーラーなども完備して、走れる仕様なのが分かります。リヤタイヤはティムソン製で、引っ張り気味に装着されています。


太足化によってホイールセンターを出す必要があるので、エンジン自体が左側にオフセット搭載されています。ハンドル周りも抜かりなくカスタムされています、やや絞り気味のハンドルは、他車種から流用されたものでしょうか。

オレンジがインパクト抜群。カウルの面積が大きいスクーターだと、グラフィックで遊べるのも大きな魅力です。

ロイヤルエンフィールドのコンチネンタルGT650。純正状態からカフェレーサーな風貌ですが、より尖らせたカスタマイズモデルです。


ハンドル周りはトップブリッジ下にセパハンを配置。スイッチ類も小型化されるなど、細部まで手が加えられています。

シートも純正はラウンドしているのですが、全体のシルエットに合わせて角型へリメイクされています。

カラーリング、ハンドル、シート周りをスタイリッシュにし、BMXを思わせるスタイリングに変身したホンダ・レブル。海岸をゆったりとクルージングしたくなりそう。

ヤマハブースで展示されていたM-SLAZ(エムスラッツ)のカスタムモデル。

市販状態はストリートファイターを彷彿させるスタイリングですが、その面影を感じさせない大胆なカスタムが施されています。

こちらはトラッカーバージョン。フロントフェンダーレス、トラッカーシート、幅広のハンドル、角パイプで製作されたスイングアームなど、トラッカーの要素がふんだんに盛り込まれています。インターカラーが往年のダートトラッカーレーサーTZ750っぽい!?

まるで市販車のような、完成度の高いレトロバージョン。昔販売されていたルネッサやSRXを思い出させるスタイリングに仕上げられています。

GPXというタイのメーカーは、ジェントルマン200のカスタマイズモデルを展示。

LEDで小型化されたフロントフェイスが特徴的ですが、キャリパー、ステップ、マフラーなど各部に手が加えられています。

同じくGPXでは、LEGEND400 FTRコンセプトが注目を集めていました。これは、同社で最大排気量となる400ccのコンセプトモデルです。アップマフラーやタンクの形状を見る限り、初期のフラットラッカーをイメージしていることが分かります。

タンクからシートまで、流れるようなデザインが美しいですね。

YSSというサスペンションメーカーのブースにて展示されていた、近未来感たっぷりなモデル。タイに拠点を置くK-SPEEDというメーカーがカスタムしたホンダ・ブロス400です。フロント周りがフルカバーされて、印象がガラッと変わっています。

極限までミニマムにまとめられたハンドルまわり。ミラー、ウインカー、スイッチ類などが小型化されています。

ロイヤルエンフィールドのコンセプトモデルは、新しいVツインエンジンを搭載しています。フロントサスペンションは、一般的なテレスコピック型ではないようです。フロントブレーキ周りはラジアルマウント化されています。

薄型のメーターはデジタルタイプで、ヘッドライトもLED化されています。

リヤショックやリヤブレーキキャリパーの配置、スイングアームの形状などは既存のモデルから大胆にモディファイされています。

温故知新とはこのことでしょうか。新型なのですが、モデルコンセプトの「ネオレトロ」がしっかりと貫かれています。ぜひとも市販化してもらいたいのですが、コンセプトモデルということで、販売は未定だそうです。

電動バイクの展示もありました。ヤマハのEVトライアル車「TY-E」です。東京モーターサイクルショーではホンダがモトクロッサーのEVモデルを発表して話題になりましたが、このTY-Eはすでに実践投入されており、優勝も果たしています。

CFRPのモノコックフレームはポリゴン形状にデザインされています。排気ガスが出ないEV車は屋内でも走りやすいいので、今後は室内競技としての発展も期待されます。

ホンダの先代グロムにそっくりですが、実はEVバイク!

エンジンがないことに加えて、後ろから見るとスイングアームやホイールが異なっているのに気づきます。もちろんチェンジペダルはありません。また、リヤブレーキも右足ではなくスクーターと同様に左手で操作します。乗った際に戸惑わないか、ちょっと心配ですね。

駆動方式はホイールインモーター。足で踏み込むのと指で握る違いがあるからでしょうか、リヤブレーキのディスクローターの外径は大きくて、200mmくらいあるように見えました。キャリパーも片押し2ポットのものが採用されています。

(文・写真:しのP/まとめ:クリッカー編集部)