楢崎智亜「一番大きな舞台で勝てたことが嬉しい」。コンバインド男子決勝後の選手コメント/IFSCクライミング世界選手権2019八王子
21日に行われたIFSCクライミング世界選手権のコンバインド男子決勝は、各種目で上位につけた楢崎智亜が圧勝。決勝リザルト記事:楢崎智亜が五輪代表内定!抜群の安定感で他を圧倒
優勝:楢崎智亜
「こんなにうまくいくとは思わなかった。びっくりしてはいるが、今日が一番体の状態はよかったと思う。感覚的にも優勝できると思っていた中での優勝だった。最初のスピードで流れに乗れた。
「(コンバインドの決勝で勝つために必要なことは?)8人の中にスピードの選手が絶対に入ってくる。この1年練習してもスピードの選手に必ず勝てるくらいまで成長できるかと言われると難しい。ただ、チャンスがあるというくらいまではタイムを縮めておくことは必要だと思う。ボルダリングはできない課題を少なくしていくこと。リードはミスがないようにオブザベーションできるようにすることと、単純に持久力をつけること。(日本でなかなか勝てなかったが今大会で2冠を取れたことについて)一気に呪縛が解けた気がする。
4位:原田海
「一言で言うなら悔しい。力を発揮し切れなかったことが一番悔しい。スピードは正直、メンタル的なところがあって、今日が一番集中できた。でもボルダリングでズレが生じた。そこがボルダリングの難しいところ。課題が苦手だったこともあるが、決め切れない自分もいるのでそこも敗因だったと思う。
5位:楢崎明智
「チャンスを逃してしまった。リードはアップの段階で調子が良さそうだったので、良い高度まで稼げると思っていた。
6位:藤井快
「残念。それに尽きる。最初のスピードから展開が悪かった。ボルダリングで挽回しようと頑張ったが叶わずだった。自分のトレーニング不足、実力不足だと改めて感じた。スピードはミスが多く、体と気持ちがズレている感じだった。緊張感もあったし、最近上部でのミスが多くてそこへの不安もあった。3レースやって2回同じようなミスをしているので、不安を最後まで消し切れなかった。ボルダリングもリードも引き出せる範囲では引き出していたつもりだが、100%の力を出せたかというとわからない。全種目においてまだまだ勝負ができないことを今回感じた。安定した順位が出せてもその先は周りの順位に依存する展開になっていた。すべてにおいてベースアップしないと、金メダルはまだまだ遠い」
2位:ヤコブ・シューベルト(オーストリア)
「コンバインド決勝前に既に2つのメダルを獲得できていたし、オリンピック出場も決めていたので、さらにもう一つコンバインドでメダルを獲得できてうれしい。(完登したリードについて)最も得意としている種目なので楽しみだったし、その時点で順位も良くなかったのであまりプレッシャーはなかった。(今大会のスケジュールについて)全体的にかなり長い大会だったけど、コンバインドを迎える前はレストデイもあったし大きな問題はなかった。反対にボルダリングからリードに移る大会前半の方が連続した日程だったので、リードの後はかなり疲れていた。もうすこし良いパフォーマンスが出せたかなと思うが、ボルダーでの消耗が大きかった。(オリンピックへの目標は)今は出場権を得られたし、今年の残りの期間は少し休んでから準備していきたいと思う。オリンピックに出場するからにはメダルを獲りたい」
3位:リシャト・ハイブリン(カザフスタン)
「大きな舞台で3位という結果、またオリンピック出場権を獲得できてすごくうれしい。スピード種目が好きでタイムも良いけど、自分はスピード専門ではない。ボルダーもリードもトレーニングしている。オリンピックでは何とか勝ち残りたい。トモアはすごく強いクライマーだと思う。スピードもかなり速くなってきているので、自分も負けないようにトレーニングしていきたい」
7位:ミカエル・マウェム(フランス)
「オリンピック出場が決まってすごくうれしい。オリンピックに向けての最初のステップとしては完璧なんじゃないかと思う。まずは2週間の休暇を取って、それからオリンピックに向けて3種目のレベルを上げていきたい。スピードが得意だが、日本人選手もスピードが速くなってきているので負けないようにレベルアップしていきたい。もちろんボルダー、リードも。(優勝した楢崎智亜について)彼は全てのレベルが違うと思う。トモアは一昨年も、去年も強かったけど、今年に関しては3種目でかなりの強さを発揮している。自分も追いつけるよう頑張りたい」
CREDITS
取材・文
篠幸彦、編集部 /写真
窪田亮