
IoTの普及が期待される現在、そうした小型機器の最大の問題が電池をどうするか、という点である。人のあまりいけないところにセンサを置けたとしても、電力線が現場まで届いていればよいが、そうでない場所ではバッテリーでの駆動が求められる。しかし、長期間にわたっての利用となれば、定められた期間ごとや、クラウド経由のバッテリーマネジメントシステム上での残量チェックによって、現場に赴いてバッテリー交換を行わなければいけないという課題があった。
同社のDSSCの最大の特徴が、室内光のような低照度環境であっても発電が可能という点。発電量そのものはシリコンを用いた一般的な太陽電池には敵わないが、薄型軽量で室内光でも発電できるため、単に家屋の屋根の上に設置、というわけではなく、さまざまな場所での活用が期待されている太陽電池となっており、IoT機器で求められる電池レス、メンテナンスフリーへの活用が期待されている。「低照度とされる200lx程度がターゲットで、かつ電解液を用いずに固体材料を使うことで、封止の容易化も実現。こうした固体材料に関する高い技術力はリコーならではのものだと思っている」と同社の担当者は説明する。